叱り方がわからない…|叱ることの意味と大事なポイント

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。
「最近は、子どもを叱らない親が増えてきた」という声をよく耳にします。
子育てに限らず、人を叱るという行為に対して抵抗感を持つ人が多いのかもしれません。
叱るといっても、どう伝えたらいいのか分からないというのもあるでしょう。
今回は、「叱る」ということをテーマに考えてみたいと思います。
叱るのを避けるのはなぜ?
そもそも、叱るのを避けるのはなぜなのでしょうか。
「叱る」ということは、相手に注意することです。
誰にでも「よく見られたい」という名誉欲があるので、できていないところを指摘されるのはショックでしょう。
ですから、誰しも叱られるのを避けようとするのです。
叱る側も、当然その気持ちはよく分かっています。
叱る側にも名誉欲がありますから、「叱ったことで、嫌われたり、関係が悪くなったりしたら嫌だな」という心が出てくるのです。
双方にとって嫌なことなので、叱るのを避ける傾向にあるのも頷けます。
叱ることの意義とは
では、叱ることはなぜ必要とされるのでしょうか。
まず一つには、「正しいことを教えるため」ということが挙げられます。
子どもは特にそうですが、最初はいいことと悪いことの区別がついていないものです。
ですから、間違っていることは間違っていると伝え、正しいことは何かを教えなければ分かりません。
次に、叱ることは「あなたが大切だ」というメッセージでもあると思います。
前述のように、叱る側にも名誉欲がありますから、本当は叱りたくないのです。
だから、自分にとってどうでもいい人ならば放っておきます。
しかし、相手が自分にとって近い人、大切な人であれば、「正しいことを知らずに、苦労したらかわいそうだ」と思うはずです。
叱ることは、愛情の裏返しだということです。
「叱る」と「怒る」の違い
「叱る」と「怒る」は、言い方が違うだけで同じことだと思っている人も多いかもしれません。
しかし、実は全く違う行為です。
仏教では、怒りの心を「瞋恚(しんに)」と言われます。
これは108ある煩悩の中の一つで、欲が妨げられることから出てくる心です。
例えば、疲れて横になっている時に、子どもが騒いでいたとしましょう。
そこで出てくる「うるさい!」という言葉は、「休みたい」という睡眠欲が妨げられた腹立ちから出たものです。
これは「怒った」ということです。
一方、電車の中で子どもが騒いでいる時に、「静かにしなさい!」と言う場面もあると思います。
これは、「周りの人に迷惑をかけてはいけない」「子どもたちに嫌な思いをしてほしくない」と、周りや子どものことを思いやって出てくる言葉ではないでしょうか。
これが「叱る」ということです。
自分中心に考えての行為か、相手のことを考えたうえでの行為か。
表に出る行動は似ていても、心の中は全く違うことがわかります。
大事なのは、相手に伝わること
最近は体罰や虐待などの報道もよく耳にするので、そういったことを恐れて、叱るのを避ける向きもあるのかもしれません。
ただ、前述したように、「怒る」のと「叱る」のは全く違います。
叱るのは、「相手に良くなってほしい」と幸せを願ってのことです。
その心が根底にあるのに、相手の人格を否定したり、暴力をふるったりするでしょうか。
そういう言葉や行動が出るのは、怒っているからでしょう。
あくまでも目的は、「間違ったことをやめて、正しいことを知ってもらう」ことです。
そのときに、相手を怒鳴ったり、威圧する必要があるかを考えてみてください。
公共の場で自分の子どもが騒ぐのであれば、「周りの人の迷惑になるから、ここでは静かにしてね」としっかり目を見て伝える。
部下がミスを報告しなかったのなら、状況を聞いて気持ちを受け止め、「次からはきちんと報告しなさい」と諭す。
何度言っても同じことをする場合もあるかもしれません。
その時は、繰り返し繰り返し伝えていくことが大切なのでしょう。
まとめ
「憎くては 叩かぬものぞ 笹の雪」
このような歌があります。
笹に雪が積もって今にも折れそうにしなっている。
そんな時は、折れてしまったらかわいそうだからと、笹を叩いて雪を落とします。
これは笹を大切に思うが故の行為であって、決して憎くて叩いているのではない、という意味です。
同じように、叱るのは相手が憎くてしていることではなく、相手を大切に思うからこその行為です。
ついつい強い言葉になってしまうこともあるかもしれませんが、あくまでも目的は「相手に正しいことが何かを教えること」です。
「将来苦労することのないように、正しいことを知ってほしい」
「立派な人間になって、幸せになってほしい」
この心から出た言葉は、きっと相手に伝わると思います。
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わか
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