陰で言っても必ず伝わる|陰口を気にしたくないなら人間の本質を知ろう

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いつもお読みいただき、ありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。

知人が陰口を言われたと落ち込んでいました。
誰でも、自分のことを陰で悪く言われていると知ったらショックです。

陰口を言われないようにしたいものですが、今までの経験からするとどうも難しそうです。
では、陰口を言われたとき、気にしないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

皆から好かれることはできない

誰でも、できることなら陰口を言われたくないでしょう。
それで、他人から嫌われないように一生懸命合わせたり、顔色を窺っている人も多いかもしれません。
私自身も学生時代、必死に自分を繕っていました。

しかし、人が人を評価するときに元となるのはその人自身の都合です。
都合に合う人は好きな人ですが、都合に合わない人は嫌いな人になるでしょう。
それもずっと固定ではなく、都合が変われば好きだった人が嫌いになり、嫌いだった人が好きになるのです。

お釈迦さまは

「過去にも今にも未来にも、皆にて褒める人もなく、皆にて謗る人もなし」

と言われています。

どんなに頑張っても皆から好かれる人にはなれないし、絶対に嫌われないということもないのです。

人間の心には陰口の元がある

有名な古典『歎異抄』では、人間の姿を「煩悩具足の凡夫」と言われています。
「具足」とは、「それでできている」という意味ですから、「煩悩でできているのが人間」ということです。

「煩悩」とは、私たちを煩わせ悩ませるもの。
代表的なものに欲、怒り、ねたみやそねみがあります。

陰口は、気に入らない相手に対して出てくるものです。
ではなぜ気に入らないのかといえば、自分にとって都合の悪い相手だからです。
都合が悪い相手というのは、つまり自分の欲を満たすのを邪魔する相手ということでしょう。

それが怒りやねたみ、そねみとなり、陰口という形で表れることがあります。
人間は誰しも陰口のタネとなる心を持っているのです。

陰で言っても結局本人に伝わる

あの人には気に入らないところがある。でも、表立って言うと角が立つし、周囲からの印象もよくないだろう。
そういう心理から、陰で悪口を言うのかもしれません。

では、陰で言えば本人には伝わらないのでしょうか?
実際の話から考えてみたいと思います。

ある人が電車に乗っていた時のこと。
同じ車両に女子高生のグループが乗っていたそうです。

皆でいるときは仲良く話をしていたのですが、電車が駅について一人が降りると、降りた一人の悪口を言い始めました。
次の駅についてまた一人が降りると、今度はその降りていった子の悪口が始まります。
一人、一人と降りていくたび、いなくなった子の悪口を言い合う。
それが最後の一人になるまで続いたそうです。

いなくなったとたんに悪口が始まるのですから、電車から降りていく子は「次は自分が言われるのかな」と感じていたはずです。
そうでなくても、別の人から「〇〇さんがあなたのことこんな風に言っていたよ」と聞くこともあるでしょう。
陰で言っていても、遅かれ早かれ本人の耳に入るのです。

知っておきたい因果応報

仏教に「因果応報」という言葉があります。
「因に応じた結果が報う」ということで、良いことをすれば良い結果、悪いことをすれば悪い結果を受けるということです。
しかもそれは、ほかでもない自分自身にすべてやってくるのです。

陰口というのは、仏教では「悪口(あっこう)」と言われ、悪い行いの一つに挙げられます。
その結果は、相手に行くのではなくて自分が受けるもの。
陰口を言われる側になることもあるでしょうし、陰口を言ったことで信用はなくなるでしょう。

お釈迦さまは、不幸になりたくないなら決して陰口を言ってはいけないと戒められています。

陰で言うなら褒め言葉がいい

人間の心には陰口を言いたくなる種があります。
そして悲しいことに、陰口をつい言ってしまうような環境が整っていることも往々にしてあります。

ですから、誰にでも陰口を言う可能性があるし、言われる可能性がある、ということでしょう。
そうと知れば、陰口を言われたとしても一時的なもので、気にする必要はないと思えます。

それよりも気を付けなければならないのは、自分が陰口を言ってしまうことです。
陰口を言わないためには、本人のいないところであえてその人を褒めるようにしてはいかがでしょうか。
人づてに褒められていたことを聞くと、直接褒められた時の何倍も嬉しいものです。

人を褒めるのは良い行いですし、他人も自分も幸せにするので、ぜひ実行してみていただきたいと思います。

まとめ

陰口を言われていると知ったらショックです。
ただ、知っておかなければならないのは、すべての人から好かれることはできないこと、誰もが陰口を言う心を持っているということでしょう。

仏教では、すべてのことは因果応報だから、陰口は言ってはいけないと戒められています。
陰口を言わないためにも、本人がいないところではその人を褒めることに心掛けてみてはいかがでしょうか。

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チューリップ企画で発行している月刊誌『月刊 人生の目的』では、難しく感じられる仏教用語をわかりやすく解説されているコーナー、「1からわかるブッダの教え 令和版仏教辞典」が連載されています。

今回紹介した「因果応報」は、「因果の道理」からきている言葉ですが、この因果の道理も解説されていました。

気になる方は、こちらのリンクから試し読みができますので、よろしければご覧ください。

【因果の道理】不幸を避けて幸せになるための大切な心構え

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わか

チューリップ企画コールセンターのわかと申します。 静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。 日常の様々な出来事を物語化することが好きです。学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。 今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!
心が穏やかになった人へ
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