お墓じゃない 、葬式でもない。親がのこしてくれた本当の願いとは?
こんにちは、みさきです。
亡くなった親のことをふと思い出すとき「もっと優しくできたかもしれない」「もっと話しておけばよかった」と、孝行が十分できなかったことを後悔するものです。
生きているときにはなかなか素直になれず、気づいたらもう感謝を伝えられない――。
そんな気持ちが残ると、せめて最後のお別れだけはきちんとしたいと、葬儀やお墓に心を込める方も多いと思います。
最近は少しずつ“おくりかた”の形も変わってきています。
立派なお墓より、子どもに負担をかけたくない
親の立場からすれば「自分の死後、子どもに迷惑をかけたくない」という気持ちもありますよね。
共働きで日々を忙しく過ごす子ども世代、孫の教育費などの負担も大きくなる中で、自分の葬儀やお墓のことで悩ませたくない――
そんな親心から「墓じまい」や「永代供養」「家族葬」「散骨」を選ぶ方が増えています。
たとえば
・墓じまい:お墓を撤去し、遺骨を別の場所に移すこと
・永代供養:お寺や霊園が、家族に代わって供養を続けてくれること
・家族葬や密葬:身内だけで静かに見送る葬儀スタイル
・散骨:遺骨を海や山にまく自然葬の一つ
選択肢が広がった現代だからこそ、私たちは「親が本当に望んでいること」を見失わずにいたいものです。
仏教に学ぶ「親の深い想い」
仏教には、親の恩を十種に分けて教える「親の大恩十種」という教えがあります。
そのひとつが「究竟憐愍(くきょうれんみん)の恩」です。
これは、親はどれだけ歳を取っても、どんなに弱っても、命が尽きるその時まで子どもの幸せを願ってくれている――
そんな深い慈しみを表す言葉です。
私たちが想像する以上に、親というのは“自分がどうしてほしいか”より、“子どもが苦労しないように”と考えてくれているのかもしれません。
親への恩返しって、どうすればいい?「真の供養」
自分のことを考えてみても、自分が死んだ後の墓や葬式で子供を悩ませたくないと思います。
まだ私自身はそんなことを心配する年齢、立場ではないかもしれませんが、自分の墓や葬式に、孫のために使う教育費を使うなんてことはしてもらいたくないと感じますので、密葬や散骨を希望される方の気持ちは分かる気がします。
「盛大な葬式をすると親は喜びますよ」と高額の葬式を勧められ、どうしようと子供夫婦で悩んでいるのを、子を一心に思う親が喜ぶはずがありません。
供養とは本来親を喜ばせるために行うはずで、親が心配したり悲しむとしたら、親の供養にはなりません。
一般の習慣にとらわれず、親が安心し、喜ぶことは何かを考えることが、親への恩返しに大切な心得だと思います。

みさき

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