ちょっとした会話で人生が温かくなる――退職後の人間関係を育てる小さな習慣

こんにちは、みさきです。

退職して少し時間ができると「これから、どんな人間関係を築いていこうかな」と思うことはありませんか。
会社に勤めていた頃は、嫌でも人と関わる場がありましたが、退職後は自分から関係をつくっていかなければ、誰とも会話しない日ができてしまうかもしれません。

そんな中で、「どうもうまく人と打ち解けられない」「なんとなく距離を感じてしまう」と悩む方も少なくありません。

言葉ひとつで印象は変わる

私の知人に、とても優しくて思いやりのある女性がいます。
打ち解けると本当に感じの良い人なのですが、周囲からは「少し近寄りづらい」「話しかけづらい」と思われているようです。

彼女は、言葉ひとつで損をしているタイプかもしれません。
すれ違ったときの挨拶が、ほんの少し無表情だったり、声が小さかったりするだけで、「機嫌が悪いのかな?」と思われてしまうことがあるのです。

しかし、これは誰にでも起こりうること。
実は、人間関係がうまくいかない原因の多くは、ほんの些細な“言葉のかけ方”から始まります。

「言辞施(ごんじせ)」――優しい言葉の贈りもの

仏教には「言辞施(ごんじせ)」という教えがあります。
これは“やさしい言葉をかけること”を意味します。

お金や物がなくても、誰にでもできる親切の一つ。
つまり「思いやりのある言葉」は、それだけで人を元気づける贈りものなのです。

では、どんな言葉が“人を温かくする言葉”なのでしょうか。
今日は、日常の中で簡単にできる3つの心がけをご紹介します。

新しいつながりを育てる3つの言葉の習慣

① 意味のない言葉を交わす

「おはようございます」
「今日はいいお天気ですね」
「ほんとに、気持ちがいい日ですね」

こんなやり取り、特に深い意味はありませんよね。
でも、この“意味のない言葉”こそが、人と人をつなぐ潤滑油になるのです。

たとえば、ご近所さんとのちょっとした挨拶。
相手の一日が少し明るくなり、自分の心も不思議とほぐれていきます。
会話の内容よりも、“言葉を交わすこと”自体が大切なのです。

② 二言あいさつをしてみる

「こんにちは」だけで終わるよりも、
「こんにちは。今日は風が冷たいですね」
「おはようございます。昨日のニュース、びっくりしましたね」

そんなふうに“もうひと言”添えるだけで、相手との距離がふっと近づきます。

この「二言あいさつ」は、家庭でも、趣味のサークルでも、すぐに実践できる人間関係の潤滑油です。
たった一言で、会話が温かい空気に包まれます。

③ オウム返しの法則

人の話を聞くとき、相手の言葉をそのまま返してあげると「この人、ちゃんと聞いてくれている」と安心感が生まれます。

「昨日、孫が遊びに来たのよ」
「まぁ、お孫さんが来たんですね」
「そうなの、久しぶりに会えて嬉しかったわ」

たったこれだけで、相手の表情がぱっと明るくなります。
会話はキャッチボール。返す言葉があるだけで、関係が深まっていくのです。

言葉は、心の鏡

退職後は、仕事のように毎日決まった人間関係があるわけではありません。
だからこそ、一つひとつの“言葉”が、その人の印象をつくります。

笑顔で交わす「こんにちは」や、思いやりのある「お疲れさまです」が、
新しい縁を運んできてくれるのです。

仏教では「言葉には力がある」と教えられています。
優しい言葉をかけることは、相手を癒すだけでなく、自分自身の心も穏やかにしてくれます。

これからの人生を、あたたかいつながりとともに過ごせるように、
小さな言葉のタネを、今日も一つまいてみませんか。

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みさき

はじめまして、みさきです。 チューリップ企画で「動画で学べる仏教」を制作しています。 10年間、旅のプランニングの仕事を通して、幅広く多くの方々とお話してきました。旅には各々の想いがあり、じっくりとお話をしながら旅のお手伝いをしていきます。人と関わる中で人間関係で悩んでいる人が多いことを知りました。 8年前に仏教とご縁があり、人間の心についてずば抜けた洞察の深さに感動して、今の仕事に至っています。日常の悩みについて仏教ではどう教えられているかを発信してゆきたいと思います。
心が穏やかになった人へ
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