人間関係のもめごとはなぜ起きる?トラブルを避けるための3つのポイント


いつもお読みいただき、ありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。

「隣人がいつも大音量で音楽を聞いていて、こちらの部屋にまで聞こえてくる。うるさくて、最近はいつもイライラしている。なぜ周りの迷惑を考えないのか」
アパート住まいの人が腹を立てながら、このように話しているのを聞きました。

近隣や、家族、職場、友人など、人間関係があるところにはトラブルがつきものかもしれません。
さまざまな人間関係の中で生きている私たちが、トラブルを避け、平穏に暮らしていくには、どのような心がけが必要なのでしょうか。

人間同士でなぜもめるのか?

国家間の戦争から刃傷沙汰、同僚とのいざこざ、子ども同士のケンカなど、日々人間同士のもめごとは絶えません。
なぜ人間同士でこんなにもめるのでしょうか?

仏教では、人間のことを「煩悩具足の凡夫(ぼんのうぐそくのぼんぶ)」だと教えられます。
「煩悩」とは欲や怒りや恨み・憎しみなど、私たちを煩わせ、悩ませるもののこと。「具足」はそれでできているということで、「凡夫」とは人間のことです。

つまり、「煩悩でできているのが人間」だと言われています。
人間同士がもめるのには、この煩悩が大きく関係しているのです。

トラブルの始まりには「欲」がある

多くの場合、人間同士のトラブルの根底には「欲」があります。
欲とは「欲しい欲しい、もっと欲しい」と求める心のことです。

その欲の中でも代表的なのが、五欲(ごよく)と言われる次の5つです。

・食欲…食べたい、飲みたいという心
・財欲…1円でも多くお金が欲しい、損したくないという心
・色欲…異性を求める心
・名誉欲…褒められたい、嫌われたくないという心
・睡眠欲…眠たい、楽がしたいという心

楽しみにとっておいたデザートを家族に勝手に食べられたと腹を立てる。
1円でも安いものが欲しいと、他人と争う。
好きな異性を巡ってのいさかい。
SNS上で名誉棄損されたと裁判沙汰。
寝坊を繰り返して約束の時間を守らず、相手を怒らせる。

自分の欲を満たしたいと行動し、欲が満たせなければ怒り、怒れない相手には恨みや憎しみの心を起こす。
「煩悩でできているのが人間」といわれるゆえんです。

「自分さえよければいい」と思うからぶつかる

仏教では欲の本性を「我利我利(がりがり)」だと教えられています。
これは「自分さえよければいい、他人はどうなってもいい」という心です。
この心があるからこそ、人はもめるのです。

冒頭の例で考えてみると、隣人は音楽を聴きたいという自分の欲を満たしています。
そのために周りが迷惑をこうむっても「自分さえ楽しめればいい」のです。

一方、騒音に腹を立てている人は、静かに過ごしたいという欲を満たそうとしています。
もしかすると隣人は音楽が唯一の楽しみなのかもしれませんが、その楽しみを奪ったとしても「自分が快適に過ごせればいい」という気持ちが根底にあるのです。

私たちは普段自覚していませんが、よく見ていくと、この我利我利の心が潜んでいることに気づきます。
多くのトラブルは「自分さえよければいい」という、お互いの我利我利の心が引き起こしているといえるでしょう。

人間関係のトラブルを避けるポイント

上記のように、人間関係のトラブルには煩悩が大きく関係しています。
このことを知ったうえで、トラブルを避けるためのポイントを紹介したいと思います。

①「お互いに凡夫」だと自覚する

聖徳太子の十七条憲法の中には、次のような言葉があります。

「我必ず聖に非ず。彼必ず愚かに非ず。共に是れ凡夫のみ」
(私がいつも正しいわけではない。相手がいつも間違っているわけでもない。私も相手も、ともに凡夫、誤った判断をする人間である)

私たちは一人の例外もなく、煩悩でできている人間ですから、欲の心に従って間違った言動をすることも当然あります。
どちらか一方が必ず正しく、どちらか一方が必ず間違っているということはないのです。

冒頭の例について考えてみます。
音楽を大音量でかけるという行為は、他人に迷惑をかけますから、決してよい行いではありません。
だから、その行為に腹を立てるのは正しいではないか、という意見もあるでしょう。

では、迷惑をかけられているのが自分ではなく、別の階の知人だったとしたらどうでしょうか。
自分が迷惑をかけられている時と同じ怒りがわいてくるでしょうか。
おそらく、「大変だなあ」と思うくらいで、怒りはほとんど出てこないと思います。

それは、音楽を大音量でかける行為そのものではなく、自分が迷惑をこうむっていることに対して腹を立てているからです。
お互いに、「自分が快適に、都合よく過ごせればいい」という心を抱えているのです。

誰かに対して腹が立った時は、「私も凡夫、相手も凡夫。お互いに自分の都合を通したいだけなんだ」とまずは思ってみてください。
正しいか正しくないかの問題ではなく、自分もまた煩悩に動かされているだけなのだと自覚すると、少し冷静になれるかもしれません。

②悪人同士だとケンカにならない

「悪人同士だとケンカにならない」とは、どういうことでしょうか。
次のような話があります。

ある所に、内輪ゲンカの絶えないA家と、平和そのもののB家とが隣接していた。
ケンカの絶えないA家の主人は、隣はどうして仲よくやっているのか不思議でたまらず、ある日、B家を訪ねて懇願した。
「ご承知のとおり、私の家はケンカが絶えず困っております。お宅はみなさん仲よくやっておられますが、なにか秘訣でもあるのでしょうか。一家和楽の方法があったら、どうか教えていただきたい」
「それはそれは、別にこれといった秘訣などございません。ただお宅さまは、善人さまばかりのお集まりだからでありましょう。私の家は悪人ばかりがそろっていますので、ケンカにはならないのです。ただそれだけのことです」

てっきり皮肉られているのだと、A家の主人は激怒して、
「そんなばかな!!」と、言おうとしたとき、B家の奥で大きな音がした。
どうも皿かお茶碗でも割ったようである。
「お母さん、申し訳ありませんでした。
私が足元を確かめずにおりましたので、大事なお茶碗をこわしてしまいました。私が悪うございました。お許しください」
心から詫びている、お嫁さんの声がする。
「いやいや、おまえが悪かったのではありません。先ほどから始末しようしようと思いながら横着して、そんなところに置いた私が悪かったのです。すまんことをいたしました」
と、続いて姑さんの声が聞こえてきた。

「なるほど、この家の人たちは、みんな悪人ばかりだ。ケンカにならぬ理由がわかった」
A家の主人は感心して帰ったという。
(『光に向かって100の花束』(1万年堂出版)より)

みんなが「自分は悪くない。相手が悪い」と思っていたら、ケンカになるのは当然なのです。
何か問題が起こった時、相手を責める前に、「自分に悪いところはなかったか」と振り返ってみるのも大切なことではないでしょうか。

③相手を思って譲る勇気をもつ

人間関係のトラブルは、「自分さえよければいい」という我利我利の心のぶつかり合いから起きていると書きました。
衝突した時に、どちらも引き下がらなければ、問題はどんどん大きくなります。

そこで、トラブルを防ぐときに必要なのが、「自分から譲る勇気」です。
譲るというのは、単に自分ががまんすることではなく、相手を尊重して引くべきところは引くということです。

仏教では、我利我利の心を抱える私たちだからこそ、「自利利他(じりりた)」に心がけねばならないと教えられています。
自利利他とは、「相手の幸せを考えて行動するままが、自分の幸せになる」ということです。

都合を通したいのはお互いに同じで、何らかの事情を抱えているのも同じです。
だからこそ、まず相手の気持ちや主張に耳を傾け、折り合いをつける道を探ることが大切ではないでしょうか。
相手を尊重したら、それは必ず自分にも返ってくるのです。

まとめ:自利利他でお互いに幸せな人生を

日常で人間関係のトラブルは尽きませんが、それには煩悩が関係しています。
煩悩の中でも代表的なものが「欲」であり、欲の本性は「自分さえよければいい」という我利我利の心だと教えられています。
私たちは「自分さえよければいい」という心で人と衝突してしまうのです。

このことを知ったうえで、トラブルを避けるために以下の点を頭に置いてみてください。
①「お互いに凡夫」だと自覚する
②悪人同士だとケンカにならない
③相手を思って譲る勇気をもつ

「情けは人のためならず」ということわざがあるように、相手の幸せを思って行動すれば、それはまわりまわって自分に幸せをもたらすのです。
自利利他の精神で行動することが、トラブルを防ぎ、人間関係を良好にすることにもつながると思います。

************
チューリップ企画が発行する月刊誌『月刊 人生の目的』では、毎月、心療内科医の先生によるお悩み相談のコーナーが掲載されています。
家族関係や、自分の人生についてなど、誰しも抱えている悩みに、専門家の視点からお答えいただくコーナーです。
気になる方は、こちらから試し読みができますので、ぜひごらんください。
https://value-of-life.com/category/sample/kokoro/

***********************************
こんなことをもっと知りたいあなたへ

「悩みの根本に向き合いたい」
「変わらない幸せを見つけたい」
「人はなぜ生きるのか…」

あなたの「なぜ?」に深く応える映画があります。
映画「親鸞 人生の目的」
The following two tabs change content below.
Avatar photo

わか

チューリップ企画コールセンターのわかと申します。 静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。 日常の様々な出来事を物語化することが好きです。学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。 今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!
心が穏やかになった人へ
心が穏やかになった人へ

おすすめの記事