伝え方次第で部下の行動は変わる|相手が受け入れる上手な注意の仕方とは?

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いつもお読みいただき、ありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。

私には弟が1人いるのですが、思春期のときは母や祖母が呼びかけても返事をしないことがたびたびでした。
様子を見ていた私が注意をすると、いかにも鬱陶(うっとう)しそうにするのです。
その態度に私がムカッときてケンカになる、という光景が我が家ではよく繰り広げられていました。

これは兄弟間のことなので、職場などでこんなあからさまな態度を出す人はないと思います。
しかし、注意を受け入れられない部下という光景は社会のそこかしこで見られることではないでしょうか。

部下に成長してほしい、恥をかいてほしくないと思って注意をするのに、その思いはなかなか伝わらないんですよね。
注意の仕方を間違えたら、部下はへそを曲げ、絶対にこちらの注意を聞き入れてくれません

今回は、私が学生時代に教えてもらった上手な注意の仕方を紹介したいと思います。

注意は受け入れられないもの

部下が間違った言動をしていたら、注意し、正すのが当然。
そのように思いますが、部下にとっては注意されること自体とても嫌なことです。

人間には誰しも、他人からよく見られたいという名誉欲があります。
そして、自分をよく見たいという慢の心もあります。

注意されるということは、それらの心を妨げられるということです。
ですから、注意の内容がどんなに正しくても、注意の仕方を考えないと、部下は素直に受け入れられず、反発してしまうのです。
ただでさえ受け入れにくいことを、更に、強い口調で注意されたりしたら、部下はそのまま心を閉ざしてしまうでしょう。

部下のことを本当に思うのなら、受け入れられるような注意の仕方を考えなけばならないのです

上手な注意の仕方①:1対1で

注意の仕方でよく言われるのは、部下と1対1になることが望ましいということです

先に述べましたが、人間には誰しも名誉欲があります。
それは、どんな若者でも当然持っています。
失敗をしたり、間違ったりすることは、当人にとって、とても恥ずかしいことです。

それなのに、同僚たちが見ている前で自分の間違いや失敗を注意される。
これ以上の屈辱はありません。

部下は、周りの人がどう思っているだろうか、ということしか考えられなくなり、注意の内容が全く入ってこなくなります。
更には、大勢の前で恥をかかされたと怒りを覚えるでしょう。

そうならないためにも、まず周りの目がない環境で話をすることが、上手な注意の仕方と言えるのではないでしょうか

上手な注意の仕方②:まずは十分褒めてから

注意の仕方で悩んでしまうのは、注意をすると、多かれ少なかれ、部下に嫌な思いをさせることです。
注意を真摯に受け止めて向上に努めてくれる部下ならばよいですが、そんな人ばかりではありません。
注意の仕方を間違えたために、部下が落ち込んだり、へそを曲げて仕事に身が入らなくなるとこちらも困るのです。

そんなとき実践したいのが「与奪の論法(よだつのろんぽう)」です。
「与」とは、与えることで、「奪」は奪うこと。
まず、相手の喜ぶことを言ってから(与)、注意をする(奪)ということです。

人は注意されることは嫌いですが、褒められることはとても好きです。
注意の仕方として、頭ごなしに注意をするのではなく、まず、日ごろ頑張っている姿を褒めることが大事だと言われます

最初に十分部下のことを褒めておくと、相手は悪い気がしません。
日ごろ自分のことをちゃんと見てくれているのだと嬉しくなり、話を聞く姿勢ができます
最後に、「ただ、ここだけ直すともっとよくなるよ」という注意の仕方なら、比較的素直に聞くことができるのではないでしょうか。

上手な注意の仕方③:相手の立場に立つ

注意をするとき、直してもらいたいとの気持ちが先に立ち、どうしても厳しい口調になってしまいます。
そして、かなりきついことを言ってしまったりするのです。

厳しいだけならばいいのですが、注意の仕方も度が過ぎると相手を傷つけます
人格を責めたり、他人と比較をしたり。
部下のことを否定するような言葉を使わないように、注意の仕方にも気を付けなければいけないなと思います。

自分が部下の立場にいたら、どう感じるだろう。
どのような言葉なら、注意を受け取ることができるだろう。

そのように考えて発した言葉は、口調は厳しくても部下の心に届くのではないでしょうか
相手のことを見て、相手の立場に立つと、上手な注意の仕方が見えてくるかもしれません。

まとめ

部下のためを思えば、間違った言動を見過ごすことはできません。
成長してほしい、向上してほしいとの思いがあれば、注意の仕方も自然と変わってくるのではないでしょうか。

・1対1で
・まずは十分褒めてから
・相手の立場に立つ

これらのことを実践すると、注意を受け入れやすくなると思います。
注意の仕方を間違えて、部下とギスギスした関係にならないようにしたいですね。

こちらの記事では、さらに詳しく叱り方を取り上げています。

部下が納得できる?り方とは?|叱る時に「抜けがち」な視点(1)

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わか

チューリップ企画コールセンターのわかと申します。 静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。 日常の様々な出来事を物語化することが好きです。学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。 今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!
心が穏やかになった人へ
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