映画『鬼滅の刃』と仏教に見る「鬼」の正体
こんにちは、みさきです。
「鬼滅の刃」の新作映画が公開されるたびに、あらためて「鬼とは何か?」という問いを持たれる方も多いのではないでしょうか。
ところが、「鬼」といってもそのイメージはさまざまです。
たとえば、西洋では「オーガ」や「オーク」など、野蛮で怪力の化け物として描かれることが多く、中国では「幽霊」を鬼と呼びます。
日本のマンガやアニメにも、強くて哀しみを背負った“鬼”たちが数多く登場しますよね。
今回はその中でも、仏教の視点から「鬼」を見つめてみたいと思います。
テーマは、地獄絵図に描かれた赤鬼・青鬼たち――
平安時代の絵師たちが残した、あの炎の中で罪人を責めている鬼たちです。
あの絵を見て、「地獄って本当にあるのかな?」「あの鬼たちに苦しめられるのかな?」と感じたことがある方もいるかもしれません。
しかし仏教では、あの鬼たちは“どこかにいる存在”ではなく「私たち自身の心」を表していると説かれています。
つまり、自らの心が鬼となって罪をつくり、その結果として自らが苦しむ――
それが仏教の教えなのです。
地獄絵図で描かれた鬼とは、まさに私の中にある「煩悩」そのものなのです。
では、その鬼の心とは何か。
仏教では、
欲望を「青鬼」、
怒りを「赤鬼」、
妬みや憎しみなどの感情を「黒鬼」になぞらえています。
どこまでも深い海のように、満たされることのない欲は「青鬼」
怒りがこみ上げて、顔が真っ赤になるのは「赤鬼」
そして、どす黒く渦巻くような妬みや愚痴は「黒鬼」にたとえられています。
こうした「心の鬼」たちは、私たちを日々悩ませ、時には人間関係を壊してしまったり、未来にまで影を落とすことさえあります。
そんな鬼の心を持った私たちは、どうしたら幸せになれるのでしょうか。
実は、その鬼の心を仏へと転じる不思議な力が説かれているのが、仏教の大きな魅力なのです。
煩悩を抱えたままの私たちを、まるごと受けとめて、苦しみから解き放とうとしてくださる仏さまの教え。
「鬼滅の刃」をきっかけに、そんな仏教の世界をのぞいてみるのもおすすめです。

みさき

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