宗教とは何か？｜私たちの幸せ・不幸に宗教は関係するのか？
こんにちは、みさきです。
仏教に携わる仕事をしていると、時々、友人から「仏教ってどんな教え？」と尋ねられることがあります。
15年ほど前にカナダに滞在していたときも、よく外国人に聞かれました。
今回は、仏教を学んでいる一人として宗教について考えてみたいと思います。
仏教ってどんなイメージ？
カナダの学校では、ヨーロッパや他アジアのクラスメイトが、子供のころから授業で、聖書や儒教、コーランを習った、と言っていました。
日本人で仏典を習ったという人がいれば、「実家は寺？」と問われたり、何か特別な環境にいた人だと思われがちですが、他の国では、宗教を学ぶことは、ごく一般的なんだと、その時に知りました。
日本の場合、googleで「宗教」と検索すると、関連ワードとして「危険」「やばい」「勧誘」「カルト教団」と出てきます。
ニュースでも話題になっていますし、宗教と聞くと、洗脳されるから近寄ってはいけない危ないもの、とイメージする日本人が多いのも無理のないことと思います。
だからでしょうか、「私には宗教はない」と答える人は多いですよね。
しかし考えてみれば神や仏など特定の宗教は信じていない人でも、私たちは皆、何かしら生きていく上で、自覚しているいないに関わらず、何かを信じて生きています。
夫は妻を信じ、妻は夫を信じています。
親は子供を信じ、子供は親を信じています。
これだけお金があるから大丈夫、とお金を信じ、人からの名声を信じ、自分の才能を信じている人もあれば、健康を信じている人もいます。
みんな何かしらの信心を持っています。
何も信じているものがなければ、生きてゆくことができないのです。
では私たちはどんな時に苦しみ悩むでしょうか。
それは信じていたものに裏切られた時です。
何よりも「家族」を愛していた人なら、「家族」を事故や病気で失った時に悲嘆に暮れます。
「お金」を頼りに生きていた人なら、詐欺に遭い、財産を失った時に意気消沈とします。
「健康」を自慢としていた人なら、末期ガンと宣告された時に絶望します。
「才能」を誇りとしていたアーティストなら、良い作品を創出できなくなった時に焦燥感に駆られます。
それまで信じて大切にしてきたものが、自分から離れていった時に苦しみの波が襲いかかります。
そんな苦しみ悩みの人生に、どうすれば本当の幸せになれるのかを教えるのが、それこそ本来の「宗教」の役割です。
「宗教」とは仏教から出た言葉です。
「宗となる教え」ということで「人生の根本をなす教え」という意味です。
あなたが今、仏教に関心を持ち始めているのだとしたら、苦難困難にぶつかり、自分の人生に真剣に向き合おうとしているのかもしれません。
私たちの幸せ・不幸せは何によって決まるのか。仏教の答えは？
仏教では、幸せになりたかったら「廃悪修善（はいあくしゅぜん）に努めなさい」と教えられています。
「廃悪（はいあく）」とは不幸になりたくなければ、悪い行いを慎みなさい、
「修善（しゅぜん）」とは幸せになりたければ、善い行いをしなさいよ、ということです。
昔、儒教で有名な白楽天（はくらくてん）が鳥窠（ちょうか）という僧侶に
「仏教とはどんな教えか、一言でご教授願いたい」
と尋ねた逸話があります。
即座に、鳥窠は答えました。
「もろもろの悪を為すことなかれ、つつしんで善を修めよ、と教えるのが仏教である」
それを聞いた白楽天、いささか呆れ顔をして、
「そんなことなら、三歳の子供でも知っていることではないか」
と冷笑すると、鳥窠、
「三歳の童子も、これを知るが、八十の翁も、これを行うは難し」
と大喝したという話です。
知っていても、実行しなければ、知らないのと同じだからです。
仏教では、幸せ・不幸せは、自分の行為によって決まると教えられています。
幸せになりたかったら、善い行いをしなさい、
不幸せになりたくなかったら、悪い行いは慎みなさいと、説かれています。
さらに仏教では、善い行い・悪い行いとは何か、詳しく教えられています。
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みさき
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