なかなか幸せを感じられないのはなぜか。幸せに近づくために大切なこと
こんにちは。みさきです。
最近、90歳の女性とお話しする機会があったのですが、自分より2倍人生経験豊かなその女性が「何歳になっても苦労は続き、幸せは続かないものね」と言われたのが心に残りました。
人生は難度の海
現役時代は女医として活躍し、医療現場は常に人手不足で、85歳まで仕事をされていたそうです。
さすがに年齢的に自分の身体も辛くなって、怪我を理由に「ようやく退職できた」と思ったのは束の間。
それからすぐ夫が亡くなり、一人ぼっちになったの。
息子が近くに住んでいて、週に2度、訪ねてきてくれるので、何とか寂しさを紛らしている。
体も自由が効かなくなり、家事代行サービスを頼んだの。
彼女のすることが色々と目について、口出ししたくなってしまうのよ。
掃除の仕方が行き届いていなかったり、物を置く場所が違っていたりと、お世話をしてもらうはずが、彼女を傷つけないよう気を遣いながら話をするのだけれど、どちらがお世話をしているのか分からなくなるわ。
年を取るにつれて、怪我をしたり、病気にもかかる。
人生、何歳になっても苦労は続くものね。
これから先、何のために生きていけばいいのかと思うわ。
今40代の私は「幸せを掴んだと思っては、また新たな苦労がやってくる」と実感しているのですが、50,60,70,80,90代と年齢を重ねても、この人生の実態は変わらないようです。
仏教では、苦しみの絶えない人生を「難度の海」と教えられています。
荒波の絶えない海のように、人生にも次から次へと苦難・困難・災難がやってきて、幸せを手に入れたと思っても束の間、なかなか続きません。
受験戦争・失恋・就職難・残業・リストラ・物価高・借金・離婚・病気・人間関係……。
幸せになりたいのに「幸せ」ってなんだろう?と、ふと考えさせられます。
人生は重荷を負うて、遠き道を行くがごとし
近代化の歴史の中で、私たちは次々と商品を開発し、買い求め、豊かに生きられるようになりました。
便利な電化製品が増え、電力消費量が増えました。
人と物の移動のスピードは飛躍的にアップし、瞬時にやり取りできる情報量は膨大となり、便利さを日々高めてきました。
娯楽に不自由することなく、パソコン一つで様々な映像が見られるようになりました。
ところが、物を買っても買っても、手に入れても手に入れてもなかなか幸せにはなれません。
人生に喜びを感じている人、人生に深い意味を感じている人、大いなる満足感をもって死を迎える人が、当たり前にたくさんいる世の中になったかというと、その答えはまだ見えていません。
人生は重荷を負うて、遠き道を行くがごとし
江戸幕府を築いた徳川家康の言葉です。
一国一城の主になれば、大国になれば、天下統一すれば、不安の重荷を下ろせると目指したのに、家康は少しも、目指す重荷が下ろせませんでした。
子供の頃は人質として過ごし、一国一城の主となった後も武田北条などの脅威にさらされ、長い間信長秀吉の家臣として過ごし、秀吉の死後関ヶ原の戦いで勝利してついに天下を納めた家康ですが、家康が真に願っていたのは、天下統一でもなければ、幕府を開くことでもなかったのかもしれません。
物心ついた時から晩年に至るまで、家康が望んだことは、ただ一つ、不安という人生の重荷を下ろしたかっただけだったのではないでしょうか。
その願いを果たせなかった、家康の歎きが「重荷を負うて、遠き道を行くがごとし」とはいえないでしょうか。
では生活が豊かになっても、欲しいものを獲得しても、不安が消えず、心からの安心が得られないのはどうしてなのでしょうか。
その問いに仏教では、世の中に三長者あり、その中でも心の長者があることを知らないからだ、と説かれています。その三長者とは何か、下記のブログでお話ししています。
お釈迦さまが説かれた絶対の幸福|底抜けに明るい心の長者になれる
みさき
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