「いい人」を頑張りすぎて、疲れていませんか?

「いい人」を頑張りすぎて、疲れていませんか?

人づき合いの中で、知らず知らず他人に合わせすぎてしまう。
そして、一人になったとき、ふっと疲れが押し寄せることはありませんか?
そんな思いに、心当たりのある方は多いのではないでしょうか。
私自身も、何度も感じたことがあります。
これは、職場でも、家族の中でも、友人とのお付き合いでも、場面を選ばず起こるものです。

作家・角田光代さんの小説『坂の途中の家』には、育児に孤独を感じる母親の葛藤が、繊細に描かれています。
「母親なら、子育てして当たり前」と思われる空気のなかで、自分の気持ちを押し殺してしまう。
そんな苦しさに、多くの人が共感を覚えるのではないでしょうか。
誰しも「いい人でありたい」「嫌われたくない」と思うものです。
しかし、それにはやはり限界があります。

「断ること」は、悪いことではありません

他人に合わせすぎてしまう背景には「断ったら悪い」「申し訳ない」という気持ちがあるのかもしれません。
特に、家族や年上の方、大切な友人や職場の上司など、関係を大事にしたい相手ほど、気を使いますよね。

ですが「断る」ことは、決して悪ではありません。

たとえば、週末に友人から飲み会のお誘いがあったとしても、疲れているときや用事があるときは、無理をせず断ってもいいのです。
「お誘いありがとう。でも、今週は少し休みたいと思っていて…。また次の機会を楽しみにしているね」と伝えれば、誠意は十分伝わります。

また、義母や年長者からのアドバイスも、ときにはお断りしたほうがいい場合もあります。
たとえば、こんなふうに伝えてみてはいかがでしょうか。
「お義母さん、いつもありがとうございます。
今はちょっと違う方法で試しているのですが、もしまた悩むことがあったら、ぜひご意見を聞かせてくださいね」

感謝の気持ちを添えながら、自分の考えをきちんと伝えることで、関係はむしろより良いものになることもあります。

「自分はどうしたいのか」を忘れない

もう一つ、私たちが他人に合わせすぎてしまう理由として「自分のことがよく分かっていない」ということがあります。
人に喜ばれるのは嬉しいことですが、自分の気持ちを後回しにしすぎると、心がだんだん疲れてきます。
本当はやりたくないのに「いいよ」と言ったり、無理をして付き合ったり…。
そんなことを繰り返していると、次第に「私は何がしたいのか」「どうありたいのか」が分からなくなってしまうのです。

あなたはいま、「自分の幸せ」が何か、明確に言えますか?
次の項目に、いくつか心当たりがある方は、もしかすると他人優先で生きすぎているのかもしれません。

・周りがしていることを、自分だけしないのは気が引ける
・「褒められたい」「嫌われたくない」気持ちで行動している
・他人の言動が気になりすぎてしまう
・ちょっとしたことでストレスを感じやすい
・最近、人生に目的を感じられない

自分を取り戻す3つの方法

少しずつでも「自分と向き合う時間」を持つことで、本来の自分が見えてきます。」
おすすめの方法を3つご紹介します。

① 日記をつける
思ったこと、感じたことをそのまま書き出してみましょう。怒りや不安も書いてOKです。書くうちに、自分の本音や価値観が見えてきます。

② 信頼できる人に話す
自分のことは分かっているようで、意外と分かっていないものです。
ご家族や親しい友人に「私って、どんなふうに見えてる?」と聞いてみるのも、自分を知るヒントになります。

③ 仏教を学んでみる
「仏道をならうというは、自己をならうなり」
仏教は、私たちの心の仕組みや生き方を深く見つめた教えです。
年齢を重ねた今こそ、自分の生き方を問い直す手がかりになるかもしれません。

今からでも「自分を大切にする」生き方へ

今がこれまでの経験を土台にして、自分をもっと大切にする生き方へと一歩踏み出すチャンスです。
他人に優しくするのと同じくらい、自分にも優しく。
誰かに合わせすぎて苦しくなる前に、「私は、いまどうしたいのか」と自分に問いかけてみてください。
あなたの人生が、より豊かに、より穏やかになりますように。

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みさき

はじめまして、みさきです。 チューリップ企画で「動画で学べる仏教」を制作しています。 10年間、旅のプランニングの仕事を通して、幅広く多くの方々とお話してきました。旅には各々の想いがあり、じっくりとお話をしながら旅のお手伝いをしていきます。人と関わる中で人間関係で悩んでいる人が多いことを知りました。 8年前に仏教とご縁があり、人間の心についてずば抜けた洞察の深さに感動して、今の仕事に至っています。日常の悩みについて仏教ではどう教えられているかを発信してゆきたいと思います。
心が穏やかになった人へ
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