孤独を感じる高齢者が多い|高齢者が孤独を感じる3つのパターン


高齢者の一人暮らし、コロナによる分断、伴侶や友人との死別…など孤独を訴えている声をよく耳にします。

孤独といっても、形はいろいろあります。

周りに人がいない孤独

一人暮らしや、周囲との交流が希薄なことで孤独を感じている人もいます。

夫が交通事故で亡くなり、今は一人暮らしです。週2回デイサービスに通っていますが、話し相手もおらず死んでもいいと思っています。

(82歳・女性)

妻を20年前に亡くして、独りぼっちなんです。子供は2人いるのですが、遠くに嫁ぎ、孤独なんです。

(83歳・男性)

お二人とも伴侶との死別によって、一人暮らしになりました。

「夫が亡くなったと思えず、いつもの癖で話しかけそうになる」と言われた女性がいましたが、独身で一人暮らしよりも、パートナーがいた所から一人暮らしになる方が、落差が大きく、その分孤独感は強まるでしょう。

仏教には「会者定離」という教えがあり、「会った者には必ず離れる定めがある」ということです。

夫婦や恋人、親子、親友など大事な人と離れたくないと思っても、命には限りがありますから、必ず別れる時がやってきます。

相手にされない孤独

一人暮らしでなければ、孤独を感じないのかというとそうではありません。

親子で暮らしていても、会話が無く、子どもから相手にされず孤独を感じている人もいます。

一戸建てに娘と二人で住んでいますが、娘とはほとんど口を利きません。孤独ですね。

(90歳・男性)

息子夫婦がいても相手にされず、孤独を感じています。

(87歳・女性)

家族はいるのですが、ご飯を食べるのも別々で、部屋へ持ってきてくれたのを一人で食べるだけです。孤独なんです。近所のおばあさんも、全然声もかけてくれないと愚痴を言っています。

(92歳・女性)

子どもを育てるために辛い仕事にも耐えて、自分の体力や気力、自由を子どものために費やしてきたのに、いざ自分が年老いて子どもを頼りたい時には、子どもから疎まれ相手にされなくなる。

相手にされない孤独が辛いのは、「これだけ苦労して育ててきたのだから、恩を感じて親孝行してくれるだろう」の期待が裏切られるからでしょう。

私たちは信じていたものに裏切られたときに、苦しみ悩みます。

かけた苦労が多い分、見返りを期待する心も大きくなりますから、子どもに相手にされない孤独は辛いでしょう。

仲は良いけど孤独

では、家族や周囲と仲良く幸せに暮らしていれば孤独を感じないのでしょうか。

実はそうではないようです。

子1人、孫3人、ひ孫2人います。幸せな方だとは思うけど…結局人間は孤独だと思うんですよ。一緒に住んではいませんが、97歳の実母の面倒を見ています。ヒステリックだったりわがままだったり…お互いに言いたい放題で。実の親子でも難しいです。

(75歳・女性)

娘2人、孫2人と三世代で幸せに暮らしています。でもフッと孤独を感じることがあります。話題に入っていけないというか…当たり前なんでしょうけど…。結局、大勢いても孤独なんだなと思って、部屋に1人閉じこもることもあります。

(76歳・女性)

家族と仲良く暮らしていても、孤独を感じるのは、なぜでしょうか。

ブッダは「みんな独りぼっちで孤独なのだ」と次のように言われています。

独生独死(独り生まれ、独り死ぬ)

独去独来(独り去り、独り来る)

私たちは生まれた時も独りなら、死んでいく時も独りです。

この世に独りでやってきて、独りで去らねばらない。

家族や友人に囲まれて楽しく暮らしていても孤独なのは、「肉体の連れがあっても、心の連れがないからだ」と教えられます。

深く理解しあえる関係だとしても、本心すべてを理解しあえるでしょうか。

むしろ、今の良好な関係を保つために、言いたいことを我慢して、相手に歩み寄ってはいないでしょうか。

本心全てをさらけ出すことはできないでしょう。

孤独は解決できるのか

高齢者が孤独を感じる3つのパターンを見てきました。

結局は、一人暮らしだろうと、子どもと住んでいようと、たとえ家族が仲良く幸せでも、孤独を感じています。

その孤独を解決する方法をブッダは教えられています。

詳しくはこちらをご覧ください。

孤独に泣くあなたへ|「その心の重荷、すべてまかせよ」のお約束

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九条えみ

チューリップ企画では、お客様サポートおよびウェブでの情報発信を担当しています。仏教を学んで約10年。仏教の視点からお悩み解消のヒントをご紹介できればと思います。
心が穏やかになった人へ
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