女性の笑顔1つで滅んだ国がある!?|女性の笑顔が男性に与える心理

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こんにちは、暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。

男性の方ならば女性の笑顔で癒された経験のある方は多いでしょう。

私も失敗して落ち込んでいるとき、残業続きで疲れているとき、うまくいかずにイライラしているとき、女性の笑顔を見て「気持ちを切り替えてがんばろう」と思ったことが何度もあります。

女性の笑顔は男性にとってとても魅力的なのですが、中には好きな女性の笑顔見たさに自分の国を滅ぼしてしまった王様がいます。

紀元前771年に滅びた西周幽王という王様です。
一体どんなことがあって西周は滅んだのでしょうか。

女性の笑顔が男性に与える心理

幽王の話の前に、女性の笑顔は男性にどのような心理効果を与えるのでしょうか。

こちらの2つの論文に男性が女性の笑顔を見たときの反応について書かれています。
笑顔および外見による魅力変化
笑顔の頻度が人物の印象評価に及ぼす影響

これらの論文の中で、笑顔の女性を見た男性は笑顔のない女性に比べて、

・対人的魅力(親切、素直、明るいなど)
・健康的魅力(元気、若々しい、かわいいなど)

があると評価し、笑顔のない女性に対しては

・社会的魅力(真面目、几帳面、勤勉など)

があると評価しています。

笑顔がなくても魅力を感じるのか、と思われるかもしれませんが、社会的魅力がある女性に対して男性は劣等感を感じるからか「この人とは友達になりたくない」と思う傾向があります。

この結果から、無表情の女性よりも笑顔の女性のほうが男性は「親切そう」「素直そう」「明るそう」「元気そう」「若々しい」「かわいい」など良い印象を持つことが分かります。

笑顔のなかった幽王の寵姫・襃姒(ほうじ)

紀元前1046年に建てられ、紀元前771年に滅びた西周の最後の王が12代目の幽王(ゆうおう)で、幽王が愛した女性が褒姒(ほうじ)です。

褒姒(ほうじ)は非常に美しい女性だったのですが笑うことがありませんでした。

せっかくの美人なのに笑顔がなく、常にすまし顔です。

褒姒(ほうじ)の笑顔を見たいと思った幽王はあの手この手で褒姒(ほうじ)を笑わせようとしました。

あるとき絹が裂ける音を聞いた褒姒(ほうじ)が微笑しました。
それを見た幽王は国中の絹を集めて褒姒(ほうじ)に与え、ビリビリと引き裂かせたそうです。

今でも高価な絹ですから当時はたいへんな高級品です。
現代でいうとダイヤモンドをハンマーで砕いて音を楽しむようなものでしょう。

またあるとき、幽王は何もないのに烽火(のろし)を上げてみました。

烽火(のろし)は本来敵に攻められたときに上げるもので、将軍たちは烽火(のろし)を見たらすぐに駆け付けることになっていました。

「烽火(のろし)だ!敵襲だ!王をお守りせねば!」

と駆け付けた将軍たちですが、敵の姿はありません。

「あれ、おかしいな?敵がいないぞ。どうしたんだ?」

キョロキョロして混乱する将軍たちを見た褒姒(ほうじ)は

「プッ、アハハハハ」

と初めて晴れやかに笑いました。

「やった!褒姒が笑った!」

喜んだ幽王はそれから度々、何もないのに烽火(のろし)を上げるようになりました。

諸将「烽火(のろし)だ!急いで駆け付けねば!ってまたかよ……」

褒姒「アハハハハ」

幽王「ああ、笑顔の褒姒はなんてかわいいんだ。あ、おまえたち、何でもないからもう帰っていいぞ」

こんなことが続いた結果、とうとう将軍たちは烽火(のろし)を見ても駆け付けなくなりました。

このように褒姒(ほうじ)を溺愛した幽王は、当時正妻だった申后(しんごう)とその息子・宜臼(ぎきゅう)を廃して、褒姒(ほうじ)を正室に、その息子の伯服(はくふく)を太子(次期国王)にしました。

これで怒ったのは申后の父であった申候(しんこう)です。

申候は蛮族の犬戎(けんじゅう)と連合して反乱を起こし、幽王を攻めました。

幽王は烽火(のろし)を上げましたが将軍たちは「はいはい、どうせ遊びの烽火だろ」と誰も駆け付けず、幽王も伯服も捕まって処刑され、褒姒(ほうじ)は犬戎(けんじゅう)にさらわれてしまい、西周は滅びました。

その後、宜臼(ぎきゅう)が東周という国を建てますがかつてのような支配力はなく、各地の有力者がそれぞれ国を建てて春秋戦国時代が始まり、秦が再度中国を統一する紀元前221年までの550年もの間、中国は戦火に晒され続けるのでした。

笑顔を勧められる仏教

「どれだけ笑顔が見たかったんだよ!」と呆れてしまう元祖オオカミ少年とも言うべきエピソードですが、無表情な女性よりも笑顔の女性のほうが好印象なのは上で紹介した論文の通りです。

仏教でも「笑顔は良いことだからやりなさい。そうすればあなたにいい結果が返ってきますよ」と勧められます。

やさしいほほえみを湛えた笑顔で人に接することを和顔悦色施(わげんえっしょくせ)と言います。

心からの美しい笑顔こそ、人生の花です。

純粋無垢な笑顔に接するとき、人は一瞬、人生の苦労を忘れ、生き甲斐さえ感じます。
笑顔は周囲全体を和ませ、トゲトゲしい対人関係をスムーズにします。

もし褒姒(ほうじ)が和顔悦色施に心がけて常にニコニコしていたら、歴史が変わっていたかもしれません。

まとめ

女性の笑顔は男性に

  • 親切そう
  • 素直そう
  • 明るそう

などの対人的魅力や

  • 元気そう
  • 若々しい
  • かわいい

などの健康的魅力を感じさせます。

西周の幽王は溺愛する褒姒(ほうじ)その笑顔見たさに、何とか笑顔にしようとして国を滅亡させてしまいました。

仏教では笑顔で接することを和顔悦色施(わげんえっしょくせ)と言われ、「あなたに良い結果が返ってくるから笑顔に心がけなさい」と勧められます。

笑顔には

  • 笑顔は見てよし
  • 笑顔はつくってよし
  • 笑顔は伝染する

という効果があります。
以前こちらの記事で紹介しましたので参考になればと思います。
和顔愛語でみんな幸せ!(前)|笑顔のチカラを科学します

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こんぎつね

チューリップ企画デジタルコンテンツ事業部にてサポートとインターネット業務にも携わっているこんぎつねです。(こんぎつねの記事一覧へ)チューリップ企画に来る前は愛知県で主に60代以上向けのイベントを運営していました。人について学ぶのが好きで、大学では生物学を専攻しました。よく読む本のジャンルは心理学、脳科学など人の心や体の行動に関するものが多いです。ブログもそれらの本を参考に、この悩みは 仏教ではこう解決するという内容を専門語を使わずになるべくわかりやすい言葉で発信することに心がけています。もっともっと多くの方の悩み疑問にお答えしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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