残り今日一日だけとなった時、あなたの準備は完了していますか?

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心穏やかアドバイザーのヒロカズです。

よく知った有名人が亡くなったニュースを聞くと「えーあの人が。」と驚きます。

その驚きはやがて自分も終わりを迎えなければならないことを予感する驚きなのかもしれません。

余命宣告された時の今日一日

人生100年時代と言われ、平均寿命は大きく延びましたが、平均寿命まで生きることができる人はどれだけあるでしょう。

なんとなく平均寿命まで生きていられるように思いますが、平均寿命は平均なので、そこまで生きられずに人生の幕を閉じる人が必ずあります。

まさか自分が平均寿命まで生きられず、人生の幕を閉じるとは夢にも思っていないのが実態ではないでしょうか?
ここで考えさせられる話を紹介します。

ある日、皆さんが、体の調子を崩して病院に行く。
そこで、精密検査を受け、 医師の診断が下されます。

お気の毒ですが、末期癌です。

そう、医師が宣告します。
皆さんは、すぐに聞くでしょう。

先生、あとどれくらい生きられるのでしょうか。

医師が答えます。

あと三十日の命です。

そうした状況を想像してみてください。
皆さん、「あと三十日の命です」と言われたら、どのように今日を生きるでしょうか。
あと三十日しかない。
その一日が今日だと思ったら、今日という一日を、どのように生きるでしょうか。
おそらく、皆さん、一日一日を、一生懸命に生きていかれるでしょう。
あと三十日となったら、遺言を書き、身辺を整理し、家族と一緒に想い出の旅に出る。
また、お世話になった方々一人ひとりに、心を込めて挨拶をする。
そうして、瞬く間に三十日が過ぎていき、終わりがやってくる。
おそらく、そのようにして、生きていかれるでしょう。
一日一日を慈しむようにして、生きていく。
一日一日を抱きしめるように、生きていく。
それは、ほんの少し想像力を働かせれば、お分かりになるでしょう。
しかし、人間の心とは、不思議なものです。
医師からこう宣告されても、皆さん、動じないのです。

あと三十年の命です。

あなたの命はあと三十年、と言われても、驚かないのです。
しかし、この二つに、違いがあるのでしょうか。
三十日と、三十年。
その二つの時間の長さに、
違いがあるでしょうか。
本当は、違いはない。
そのことに気がつくか、否かです。
この二つに、違いはない。
『なぜ、働くのか』田坂広志著)

余命三十日と余命三十年、長さは違いますが、今日一日の積み重ねという点から言えば、同じでしょう。

三十日目に人生の幕を閉じる人も三十年目に人生の幕を閉じる人も、今日という日に人生の幕を閉じるということから言えば、同じなのではないでしょうか?

今日一日禁酒の話

こんな話を聞いたことがあります。

著名な博士が禁酒運動で、ある町へ遊説した。

三度の飯より酒大好き男が、こんなおいしいものを排斥するとは何ごとかと、息巻いて会場へ乗り込んだが、聞くほどに知るほどに、納得せざるをえない説得に、翻然(ほんぜん)と改悛(かいしゅん)しキッパリと断酒を決意した。

終了後すぐに博士をたずねて、一部始終を打ち明け、「ぜひ禁酒記念に、ご揮毫(きごう)を」と懇願した。

「なんと書こうか」
「死ぬまで禁酒と、いかがでしょう」
「死ぬまででは大変だろう。今日一日で、どうかな」

花も実もある博士の言葉に感激した男は、思わず身を乗り出して確認する。

「今日一日でいいんですか」
「さよう。今日一日でよいのだよ」

”今日一日禁酒”の紙を部屋の壁に張りつけた男は、時計とにらめっこしながら、明日の来るのをひたすら待った。

夜になり12時が近づくと、一升ビンをグイと引き寄せ、ノドをグーグーうならせる。

12時の時計を合図に「さあ、のむぞ」と、酒を手にした男が壁を見て、「あ、今日もまた禁酒か」と叫んでがっくりする。

「今日一日」とは死ぬまでだったのか。

「今日」の真意を知った男は死ぬまで酒を断ったという。

今年が終われば、また今年、今日が終わればまた今日が始まります。

三十日目に人生の幕を閉じるのも三十年後に人生の幕を閉じるのも幕が閉じられた時は同じ今なのです。

あなたの準備は完了していますか?

「世の中は 今よりほかは なかりけり 昨日は過ぎつ 明日は知られず」と言われるように今よりほかに人生はないのです。

残りの人生が今日一日となった時、いつ人生の幕が下ろされても悔いなしという準備をあなたはすでに完了していますか?

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ヒロ☆カズ

チューリップ企画のヒロ☆カズです。 31歳で肝臓の病気にかかり、2度の入院を経験しました。朝起きて仕事に行く。休日は友人と出かけるという当たり前の日常を失い、初めて、朝起きて仕事に行けることが当たり前でないことに気が付きました。 当たり前の1日がかけがえのない1日であることに気づけば、悩みが感謝の心へ変わるのかもしれません。闘病中に読んだ本や勇気をもらったさまざまな言葉からヒントを紹介したいと思います。
心が穏やかになった人へ
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