認知症の家族にイライラした時の向き合い方

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こんにちは。“伝わる”技術研究家のみさきです。
認知症の家族と生活を共にして、疲れを覚えたという人は多くおられると思います。
日本の社会は今後ますます高齢化が進み、2025年には65歳以上の人のうち、5人に1人が認知症を患(わずら)うという予測もされています。

認知症が悪化していった祖母にストレスを感じた家族

私は現在30代ですが、認知症になった祖母と約2年一緒に生活をしました。
祖母は80歳の時に認知症の症状が顕著に表れはじめました。

はじめは同じことを1日のうちに5回6回と、物忘れをしたかの様に何度も話したり聞いてくるようになりました。
「今日は何曜日だっけ? 病院へ行かなきゃ」
祖母の仕事や兄弟の昔話を何度も聞きました。

認知症は徐々に悪化し、昼夜の時間感覚がなくなり、真夜中に出かけると言ってきかないことも多々ありました。
また、庭にある柿の木の前を子供が通るたびに「柿を持ってくなー」と泥棒呼ばわりをして、近所から苦情を受けることもありました。

祖母の認知症の悪化とともに、私たち家族のストレスや疲労感も大きくなっていきました。
「おばあちゃんの面倒を見るの、疲れたな…」と毎日のように思います。
認知症の影響で夜中に力づくで出かけようとする姿を見てイライラすることもありました。

毎日、休日も関係なく、終わりなく認知症の介護は続きます。
認知症により、自分の力だけでは生活ができなくなった祖母を手助けするつもりが、介護疲れから、つい思いやりをもって接することができなくなっていったと思います。

認知症の家族の心に寄り添うことが大切

先日、そんな経験をしたことがある私が認知症の家族の心に寄り添うことの大切さを看護士の知人から教えてもらいました。
今回学んだことをあの時に知っていれば、祖母への接し方をもう少し変えられたのではと、胸が痛くなりました。

認知症の人たちが抱える心とは、こんな内容でした。

まず認知症の家族が抱える心を理解しよう

行動面の失敗が増え、自信を失っていく

同じ物を何度も買う、約束したこと自体を忘れてしまう、といった失敗を繰り返すようになる。

初期段階では周囲の人はなかなか認知症とは気づかず、老人のボケの症状が出てきたと思われて注意されたり、責められることも少なくありません。
そのような失敗が重なり、周りから冷たく見られ、仕事や生活についての自信を失います。

行動が制限され、ストレスを抱える

さらに認知症が進行するとできないことが増えてきて、何もさせてもらえなくなる。
危ないからと、料理をさせてもらえない、孫の子守りを任せてもらえない、家族から1人で出かけることを止められる…など行動が制限されていき、自分はいないほうがいいのではと落ち込んだり、ストレスが溜(た)まっていきます。

認知症に戸惑いながら、精一杯生きようとしている

認知症の人が同じことを繰り返し聞くのは、それだけ気になっているから。
「明日、病院だよね」と何度も聞くのは、ちゃんと病院に行かなければという、対処しようという気持ちの現れです。
それを「さっきも言ったでしょ」とうるさがると、「なんでそんな言い方するの」と思い、「この人はすぐ怒るから私のことが嫌いなんだ」と心を閉ざしてしまいます。

排泄の失敗

これは本人にとっては大ショックです。
いくら家族の前だったとしても恥ずかしく、悔しく、自分を許せない気持ちになっているので、こちらが嫌な顔をしたら更に落ち込みます。
認知症の影響で仕方のないことなので、せめて家族だけは「大丈夫よ」というような対応をしてあげることが大切です。

認知症の家族の悩みを知ってわかったこと

知人の話を聞いて、認知症の当人は想像以上に不安やストレスを伴っていることを知らされました。
祖母が認知機能の低下に戸惑いながら何とか生きようとしているんだと分かってあげられていたら、もっと優しくできたのではと思うと、心が辛く、悔やんでも悔やみきれない気持ちになりました。

認知症は当人も、介護する家族も大変ですが、こういう話を知ることで、少しでも心のストレスが軽くなればと思い、聞かせてもらったことを紹介しました。
この話を知られて、認知症の家族と生活されている方のストレスが少しでも軽くなればと願うばかりです。

まとめ

認知症の家族の介護は休日関係なく毎日続きます。
介護をする家族がイライラしたり、ストレスや疲労感をもつのは無理もないでしょう。
認知症の人がどんな心を抱えるのかを知っておくのは、いざ大切な家族が認知症を患った時に、寄り添って認知症の介護をする一助になると思います。

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みさき

はじめまして、みさきです。 チューリップ企画で「動画で学べる仏教」を制作しています。 10年間、旅のプランニングの仕事を通して、幅広く多くの方々とお話してきました。旅には各々の想いがあり、じっくりとお話をしながら旅のお手伝いをしていきます。人と関わる中で人間関係で悩んでいる人が多いことを知りました。 8年前に仏教とご縁があり、人間の心についてずば抜けた洞察の深さに感動して、今の仕事に至っています。日常の悩みについて仏教ではどう教えられているかを発信してゆきたいと思います。
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