添加物まみれは体に毒です|健康が大事な理由と間引きと真宗門徒

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『はたらく細胞』がマイブームの九条えみです。

はたらく細胞』とは、細胞たちが擬人化され、体の免疫について分かりやすく知ることができる漫画で、今年7月からはアニメも放送されています。

『はたらく細胞』を読むと、私たちの健康を守るために、体の中では細胞が24時間365日休むことなく懸命に働いていることが分かります。

この免疫システムが働くには、こういう順番で細胞に命令が伝わって・・・など、人体の仕組みに感動することばかりです。

そして、生命を維持するにはいくつもの要素が複雑に重なりあっていて、細胞が正常に動くには、健康が大事なのだと実感を持って迫ってきます。お子様の食育にも使えそうな内容かと思います。

食品は慎重に選びましょう

健康が大事と頭では分かっていても、忙しいと食事にまで気が回りにくくなります。スーパーの惣菜やコンビニ弁当、冷凍食品、カップラーメンといった食品が重宝します。

私も10代の頃は「健康」と言われても正直ピンと来ませんでした。食事はお腹を満たすためにあるもので、バランスの良い食事がなぜ大切かという所まで意識が及びませんでした。

そんな時、看護師をしている叔母から、ファーストフードやカップラーメン、菓子パンやスナック菓子などは、美味しいと脳に判断させ、依存性を持たせるために、様々な添加物が投与されていると聞きました。たしかに、あの濃い味付けが無性に食べたくなる時がありますが、脳がコントロールされているのかと怖くなった記憶があります。

また数年前に、食肉偽装事件を再現したテレビ番組が放送されていました。本来は廃棄するクズ肉に大量の添加物を投入して、腐敗の臭いを消し、肉を柔らかくし、安い油を注入し、着色料できれいな赤色に染め、化学調味料で何度も食べたくなる美味しさに作り変えてしまうという内容でした。製造工程を知ったならば、とても口にできるものではありません。

それ以来、惣菜や冷凍食品などを買う時は、裏の原材料名を確認するようにしています。

余談ですが、添加物の中でも、赤〇、青〇などの着色料は、発がん性の疑いがあり、使用を禁止している国もあるほどです。

また、外食チェーンでアルバイトをしていた知人は、「サラダバーに並べるカット野菜は、強力な洗浄剤に付け込んでいるから、自分は食べない」と言っていました。数時間、放置しても、見た目が変わらない食品は気をつけたほうが良さそうです。

健康意識の差はどこから生まれる?

健康に気を遣うのは、つきつめれば「長く生きたいから」です。

反対に、栄養バランスを考えずに、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲んで健康を損なうのは、自分で自分の寿命を縮めるようなものとは言えないでしょうか。

そこに横たわる感情は根深いものがありそうです。

・生きていて何の意味があるのか分からない
・長く生きても辛いことが多いだけから、今好きなことを好きなだけした方が楽しいじゃん
・さっさと生きて、さっさと死にたい

生きる意味が分からないことが根底にあり、それが健康意識の低下にも繋がるのだろうと思います。

一方で、90歳を越えても元気に自活しているおばあちゃんも知っています。その方は、80代の時に、背骨が圧迫骨折で潰れ、長期の入院を余儀なくされました。

熱心な浄土真宗の門徒で、毎週のご説法を心の灯りとして生きていたのに、病院にいてはご説法がお聞きできないからと、リハビリの時間はもちろんのこと、他の人が休んでいるときも、一人廊下を歩いてリハビリに打ち込んだと語られました。その甲斐あって、予定日よりもずっと早く退院することができたそうです。

どうして、そんなに頑張れたのか尋ねると「この命は仏法を聞くためにあるものだからだよ」と力強く答えてくださいました。

当時の私には、突拍子もない答えに聞こえたのですが、そのおばあちゃんの自信と気概に「はったりではないな」と直感しました。

真宗門徒は命を大切にしてきた

農村地域では食糧不足を解消するために、子供を間引きする悪習があったそうですが、浄土真宗の盛んな地域では、命を大切にしていたので、人口が多かったそうです。

実際に、会社から北海道の『とどろき』購読者にお電話する際に「先祖は富山出身なんだよ」と言われる方が他県に比べて目立ちます。それは、真宗王国の富山県では間引きや胎児を控えたことから、土地に対する人口が多く、生活が困窮していたので、新天地を夢見て明治期から始まった北海道開拓へ家族ごと移住する人が多かったからだそうです。(参考:明治・大正期に砺波地方から北海道へ移住した人々の足跡を辿る

仏教では殺生(せっしょう)を悪と教えるので、命を大切にしてきたのは分かりますが、真宗が盛んな地域で目立つことから、それだけが理由ではないように思います。

浄土真宗の祖師・親鸞聖人(しんらんしょうにん)の教えの一枚看板は、平生業成(へいぜいごうじょう)です。

「平生」とは、生きているただ今のこと。
「業」とは、人生の大事業、人生の目的。
「成」とは、完成する、達成するということです。

「人間に生まれたのは、この幸せになるためだったのか!」と永遠に変わらない幸福に、生きている現在なれるのだと教えられています。

そして、永遠に変わらない幸福になれるか否かは、生きている時が勝負と言われます。生きている今、仏法を聞き抜いた人だけが、平生業成の身になれるので、浄土真宗は「聞(もん)の宗教」と呼ばれ、真剣な聴聞(ちょうもん)を勧められています。(※聴聞・・・「聴」とは仏教を頭で理解している聞き方。「聞」とは平生業成の身になったこと。)

聴聞するには、体がなければできませんので、体が大事になってきます。

体は日々の食事から作られていますので、食べ物が大事になってきます。食べ物の影響は何年後、何十年後になって表れてきますから、若い人でも意識していきたいものです。

それを、次ように言われます。

後生が大事だから仏法が大事
仏法が大事だから体が大事
体が大事だから食べ物が大事
体は宝(南無六字)の入れ物

(※「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」が宝といわれる理由は、南無阿弥陀仏とは一言でいうと「幸せになれる特効薬」の記事をご覧ください。)

「生きている時が、永遠の幸福になれるチャンスですよ!」と平生業成の教えを聞いている浄土真宗の門徒は、子供や孫にも仏法を聞いて永遠の幸福になってもらいたいとの願いから、命を大切に育んできたのでしょう。

まとめ

加工食品などに入っている食品添加物は、外国では禁止されているものや、人体への影響が未知数なものも多くあります。昔は見られなかった難病・奇病が増えたのも、食生活が影響していると言われます。

美味しいからと身体に良くないものを食べるのは、自分で自分の寿命を縮めるようなもの。その根底には、生きる意味が分からないという根深い問題が垣間見えます。

一方で、昔から浄土真宗の門徒は命を大切にしてきました。食糧不足を解消するために、貧しい農村地域では間引きをする悪習がありましたが、真宗の盛んな地域では命を大切にしていたので、当時としては人口が多かったことが歴史の資料から分かります。

それは、浄土真宗の祖師・親鸞聖人の教えの一枚看板である「平生業成(へいぜいごうじょう)」の教えが「生きているただ今、永遠の幸福になるという人生の大事業を果たせる」というものだからです。「聞の宗教」と呼ばれる浄土真宗では、門徒は「聴聞」に命をかけてきました。聴聞は体がなければできませんので、真宗門徒は命を大切にして、子供や孫にも教えを受け継いできたのでしょう。

命が大切と頭では分かっていても、人間追い詰められると良からぬ心が起きてきます。超高齢化社会の日本において、介護疲れを感じる方も少なくないようです。
生きる意味が知りたい。介護に疲れてしまったあなたに贈る偉人の言葉

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九条えみ

チューリップ企画では、お客様サポートおよびウェブでの情報発信を担当しています。仏教を学んで約10年。仏教の視点からお悩み解消のヒントをご紹介できればと思います。
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