当たり前の日常を輝かせるたった一つの視点とは

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心穏やかアドバイザーのヒロカズです。
今日はユニバーサルスタジオジャパンをV字回復に導いた森岡毅さんの『USJを劇的に変えたたった一つの考え方』 という本の一節から当たり前の日常は当たり前ではないということとその日常の一瞬を輝かせるたった一つの視点について考えてみたいと思います。

当たり前の日常が一瞬で崩れ去る

『USJを劇的に変えたたった一つの考え方』の中に以下の話が載っています。

神戸大学の学生時代に私は阪神淡路大震災を経験しました。
倒壊した家屋や炎と煙で包まれる街を呆然と眺めながら、当たり前の日常なんて一瞬で地獄絵図に変わることを実感しました。
神戸大学は多くの学生を失いました。
私と仲の良かった留学生の学友も寮の倒壊で死んでしまいました。
駆けつけた母国の御両親と一緒に大阪北の斎場から彼女を見送ったときの光景が今も心に焼きついて離れません。
彼女は日本人と同じようにセンター試験を日本語で受験して合格した才女で、日本人よりも美しい日本語を話し、性格も朗らかで明るく思いやりがあって素晴らしい人でした。
笑っていた彼女のくったくのない柔らかな表情と、変わり果てた彼女の苦悶で歪んだままの死化粧の表情が、今でも時折私の記憶に交錯します。
火葬されて白くなってしまった彼女を、御両親と我々友人達で泣きながら拾いあげた時のあまりの軽さの衝撃が忘れられません。

当たり前の日常は当たり前ではない

成功者には戦争体験のある人や病気で入院した人、刑務所生活をしたことがある人など当たり前の日常とかけ離れた経験のある人が多いと聞いたことがあります。
日常が当たり前ではないという実感が今の時間を大切にさせるのかもしれません。
入院生活を経験すると町を歩いているときには見かけることがない人に囲まれ、日々の挙動もままならない生活が続きます。
やがて当たり前の日常は夢だったのではないかと思ったのは私だけではないでしょう。
当たり前の日常は決して当たり前ではないことと、いつかその日常が壊れるかもしれないという不安は退院後、時間を大切にしようという原動力になっています。
当たり前の日常とかけ離れた経験は今の一瞬を大切にしようという気持ちを高めるのです。

日常の一瞬を輝かせる視点を知ろう

『USJを劇的に変えたたった一つの考え方』の中で冒頭の経験談が記載された箇所のタイトルには「常に前向きに、目的を持つ」とありました。
死を意識すると常に前向きに、目的を持った生き方になるということでしょう。
日常、死を意識する場面はほとんどありませんが、死を見つめることはいたずらに暗く沈むことではなく、日常の一瞬を輝かせる第一歩なのでしょう。

仏教では「無常を観ずるは菩提心の一なり」と教えられているそうです。
悲しい経験は同じ悲しみを持つ人に生きる力を与え、日常の一瞬を輝かせるきっかけになるのかもしれません。

(関連)亡くなった友人を想う②|結婚した直後に亡くなった友人

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ヒロ☆カズ

チューリップ企画のヒロ☆カズです。 31歳で肝臓の病気にかかり、2度の入院を経験しました。朝起きて仕事に行く。休日は友人と出かけるという当たり前の日常を失い、初めて、朝起きて仕事に行けることが当たり前でないことに気が付きました。 当たり前の1日がかけがえのない1日であることに気づけば、悩みが感謝の心へ変わるのかもしれません。闘病中に読んだ本や勇気をもらったさまざまな言葉からヒントを紹介したいと思います。
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