まだストレスでイライラしてるの?|ストレス+思いやり=幸せ(前)

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こんにちは、暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。

あなたはストレスのせいでイライラしたり、落ち込んだりしてはいないでしょうか。
ストレスのせいで頭痛がしたり、肩が凝ったり、お腹が痛くなったりしていないでしょうか。
ストレスのせいでお酒の量が増えたり、注意力が低下したりしてはいないでしょうか。

それは本当はストレスのせいではなく、ストレスが体に悪いと信じているから起こっているだけなのです。

「は?こんなに毎日ストレスでイライラして疲れてるのに気のせいだっていうのか!?」と思われるかもしれませんが、そんな方に読んでいただきたいのが今回の内容です。
イライラの原因だったストレスが、元気の源になるかもしれません。

以前の記事「ストレスは体に良い!?|ストレスは悪影響という考えが悪影響の元」の中で健康心理学者のケリー・マクゴニガル博士の著作を取り上げましたが、ご本人の講演の動画を見つけましたので、今回はその動画を要約したいと思います。
動画自体はこちらです→ストレスと友達になる方法

ストレスは体に悪くない!?

ケリー・マクゴニガル博士は健康心理学者として過去10年に渡って、ストレスは風邪から心血管疾患に至るまで、様々な病気のリスクを高めると話してきました。

しかしその考えが覆(くつがえ)される調査を発見します。
それはアメリカで3万人の成人の動向を8年間追跡調査したものです。
まず調査の対象者に

  • 去年どれ位ストレスを感じましたか
  • ストレスは健康に害になると信じますか

といった質問を答えてもらい、その後公的な死亡記録から対象者のうち誰が死亡したかを調べました。

その結果、前年に強度のストレスを感じていた人たちの死亡リスクはそうでない人に比べて43%高くなりました。
しかしその43%というのは「ストレスが健康に害を及ぼす」と信じていた人々だけでした。
ストレスは体に悪いと信じていない人々の死亡リスクは、ストレスをあまり受けていない人以上に低かったのです。

アメリカでは毎年2万人の人がストレスが原因の疾患で死亡しています。
しかし上の調査を行った研究者たちは実際はストレスが原因ではなく、ストレスが体に悪いと信じていたことが原因で死亡したと判断しました。

このことからストレスに対する考え方を変えると、体の反応まで変えられることがわかりました。

イライラを喜びに変えるストレスへの考え方

緊張してストレスを感じると、心臓はドキドキして、呼吸は早くなり、汗が出てきます。
これは普通は緊張状態にうまく対応できていないか、不安感の表れだと思われています。

しかしこの反応が「体が状況に対応しようとしている」と思えばどうでしょうか。

ハーバード大学での実験では、実験参加者にこれらの反応について、「心臓がドキドキするのは次に取るべき行動にすぐに移れるようにするためで、呼吸が荒くなるのは脳に多くの酸素を送りこむためだ」と説明しました。
これを聞いて「ストレス反応は自分の能力をより発揮できるように体が対応しているのだ」と思うようになった参加者は、緊張状態に対してイライラや不安を以前より感じなくなり、自信を持てるようになりました。

そしてただ自信を持てるようになっただけでなく、血管の収縮状態まで変わりました。
普通ストレス反応が起こると血管が収縮します。この状態が続くと血管疾患になりやすくなります。
しかしストレス反応はよいものと考えられるようになった参加者を調べると、血管は収縮せずにリラックスしたままでした。
心拍数が上がっても血管が収縮しなければ血管疾患にはなりません。
実はこの状態は喜びや勇気を感じるときの状態に似ています
ストレスに対する考えを変えるだけで、血管疾患になるか、喜びの状態になるかが変わるのです。

ストレスとオキシトシン

ストレス反応にはあまり知られていない点があります。
それはストレスは人を社交的にするという点です。
ストレスを感じるとストレス反応の一環としてオキシトシンというホルモンが分泌されます。
オキシトシンは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」「抱きしめホルモン」などと呼ばれるホルモンです。
オキシトシンは友人や家族とのスキンシップを望むようにさせたり、共感を高めたり、信頼感を増したりします。
そのためストレス反応としてオキシトシンが分泌されると、誰かと一緒にいたいと思うようになるのです。
またオキシトシンは血管をリラックスさせ、心臓の細胞を再生することがわかっています。
ストレスは体に良いと思うことによって血管が健康になれるのです。

ストレスへの対処法

ケリー・マクゴニガル博士はストレスへの対処について、以下の3つのステップを勧めています。

その1
まず、ストレスを感じたら
「いま自分にはストレスがかかっているな」
と冷静に受け止めてください。

その2
次に、
「ストレスはそのことを大事に思っているからこそ起こるサイン」
ということを思い出してください。
ストレス症状は脳と体があなたを応援しようとしている信号です。
「このストレスがあるということは、まさにいま、脳と体がわたしを応援しようとしてくれているんだ」
と考えてみてください。

その3
そしてそのまま、自分のストレスを「利用できるエネルギーだ」と思ってください。
できれば実際に声に出して自分自身に言ってみてください。
「このエネルギーを使って、どんなことをしよう?」
そこからどう行動するかは、あなた自身が決められます。

「わたし」を肯定する研究。- ほぼ日刊イトイ新聞 より

以上の3ステップで嫌な心臓のドキドキが「よーし、やるぞ」の興奮に変わり、心のイライラが「戦いの始まりだ!」のやる気に変わります。
次回後編では、大きなストレスからいち早く回復するための秘訣をお話しします。

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こんぎつね

チューリップ企画デジタルコンテンツ事業部にてサポートとインターネット業務にも携わっているこんぎつねです。(こんぎつねの記事一覧へ)チューリップ企画に来る前は愛知県で主に60代以上向けのイベントを運営していました。人について学ぶのが好きで、大学では生物学を専攻しました。よく読む本のジャンルは心理学、脳科学など人の心や体の行動に関するものが多いです。ブログもそれらの本を参考に、この悩みは 仏教ではこう解決するという内容を専門語を使わずになるべくわかりやすい言葉で発信することに心がけています。もっともっと多くの方の悩み疑問にお答えしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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