人間関係の考え方のクセを変えれば、職場のストレスは激減する

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こんにちは。”伝わる”技術研究家のみさきです。

リクナビのアンケートによると、職場の退職ホンネ理由のトップ3の内、2つは人間関係です。

職場の人間関係の悩みは友人との会話でもよく話題になります。

・頑張って仕事をしているのに、男性上司に手抜きだ、と言われた
・先輩が仕事中に大きな声で同僚を怒鳴り、職場の雰囲気が悪い
・後輩から仕事の報告がなく、ストレスが溜まっている など……

尽きることはないなぁと思います。

私は今まで、転勤や転職を5回経験しましたが、人間関係を上手く築けるタイプではなかったので、職場が変わる度に人間関係にはストレスを感じていました。

ある職場では、「どうしてもこの人だけは合わない、理解ができない」という同僚がおり、急性胃炎に罹ったり、じんましんが出ることもありました。

そんな私ですが、今まで人間関係を理由に、職場を辞めたいと思ったことは一度もありません。

それは、ある2つのことを心に留めていたからだと思っています。

職場に嫌いな人がいるのは自然なこと

一つは、そもそも人間関係というのは、いつでもどこでも難しいものであって、「みんな仲良く居心地がいい」状態は、努力なしではあり得ないということを理解したからです。

聖徳太子が十七条憲法の第一条に「和を以って貴しとなす」と定めていますが、ある先生がこの十七条憲法を「『和を以って貴し』ではなく、『和するを以って貴し』と読んで実践していきたい」と言われたことがあります。

なぜ「和」ではなく「和する」なのか、その理由を聞き、とても感動しました。

『和』というのは最初からあるのではない。

一人ひとりの涙ぐましい努力で築いていくもの。

しかもいったん築いても崩れやすいものだから、常に『和する』努力が大切なんだよ

それまで私は「和」という変わらないものがあって、それがなぜこの職場にはないのか、と不平を言っていたことに気づかされたのです。

「最初からそんなできあがった『和』はなく、努力で築いていくものだったのか」と、すごく腑に落ちたのです。

職場の場合、友達同士のように価値観が一致したり、好きな者同士の集まりではありません。

立場も、年齢も、経験も、性別もみんな違いますので、お互いの価値観が異なります。

また友達仲間と違い、仕事で生活がかかっていますので、利害打算も生じやすく、人間関係がややこしくなるのも当然なのですよね。

どこの畑でも草むしりをしなかったら雑草だらけになるのは当然なのに、「なんでこの畑は雑草が生えるのか」と、畑に怒りをぶつけているようなものだなと感じます。

人間関係のもつれは面倒に思うことがありますが、一本ずつ抜いていく努力が必要なのですよね。

「どうしても職場のあの人とは仲良くなれない」というストレスは、自分にも相手にも起きてくるのは 自然なことなんだ、お互い人と人はぶつかり合うものなんだ、と受け止めてからは、なぜかその考え方の変化だけで、驚くほどストレスが減ったのです。

職場を変えても、部署が変わっても、またそこで人間関係の悩みは出てくるだろうと思うと、なぜか前向きに人間関係の苦しみに向き合うことができるようになってきました。

嫌いな相手とはどんな人かを知るだけで、驚くほどストレスが減る

もう一つ、人間関係が軽減する方法があります。

それは自分がどういう相手を嫌いな人だと思うかを知る、ということです。

これだけで、実はストレスは相当少なくなります。

では、嫌いな相手とはどんな人でしょうか。

それはズバリ、自分にとって都合の悪い人です。

自分を評価してくれ、褒めてくれる上司は好きな上司で、自分を認めず、見下げた態度で接してくる上司は嫌いな上司でしょう。

いつも自慢やグチ話が長い人は、自分の時間を奪われるので、嫌いな人。自分の悩みを親身に聞いてくれる先輩は好きな人です。

また、昨日まで好きな相手であっても、影で自分の悪口を言いふらしていたことを今日知れば、一瞬にして嫌いな人になり下がることもあります。

好き嫌いは、自分の都合によってコロコロ変わるのです。

愛憎違順することは高峯岳山に異ならず

(自分に「順」う人は 「愛」して近づけるが、自分に「違」う人は 「憎」んで遠ざける)

(親鸞聖人)

先ほどの例でいいますと、「順う人」とは、自分を褒めてくれる人や相談を聞いてくれる人。

そういう人は愛する、好きな人ということです。

「違う人」とは、自分を認めてくれない人や長話をして、時間を奪う人。

そういう人は憎い、嫌いな人ということです。

このような心は高峯岳山のように高く、大きいと言われています。

目の前の相手に嫌いな感情を抱いたときには、自分にとって、どのように都合が悪いのかを考えることにしています。

これを知ると、不思議なことに相手に対するストレスが相当軽くなります。

まとめ

職場は人の集まりですから、人間関係は、いつでもどこでも難しいものです。

「職場のあの人はどうしても好きになれない」というのは自然な感情。

そう受け入れた上で、考え方のクセを少し変えてみましょう。

 ・最初から出来上がった「和」はなく、一人ひとりの努力で築いていく

 ・嫌いな人とは、自分にとって都合の悪い人

また、相手にイライラした時の対処法をいくつか持っていると、心の向きが変わり、嫌いな相手とも仕事がしやすくなります。

こちらの記事でいくつか対処法をご紹介しています。

→相手にイライラした時に知っておきたい発想の転換

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みさき

はじめまして、みさきです。 チューリップ企画で「動画で学べる仏教」を制作しています。 10年間、旅のプランニングの仕事を通して、幅広く多くの方々とお話してきました。旅には各々の想いがあり、じっくりとお話をしながら旅のお手伝いをしていきます。人と関わる中で人間関係で悩んでいる人が多いことを知りました。 8年前に仏教とご縁があり、人間の心についてずば抜けた洞察の深さに感動して、今の仕事に至っています。日常の悩みについて仏教ではどう教えられているかを発信してゆきたいと思います。
心が穏やかになった人へ
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