朝露の如しと歌われた人生と電光・朝露の夢・幻の間の楽しみ


心穏やかアドバイザーのヒロカズです。

人間ドックの結果を見て「経過観察が必要です」というコメントを見るたびに年を重ねていることを実感します。

今日は『三国志』で有名な曹操(そうそう)の「短歌行」という歌の一節を通して考えてみたいと思います。

曹操の短歌行

曹操の短歌行の一節に

「酒に対へば(さけにむかえば)
当に歌うべし(まさにうたうべし)
人生幾何ぞ(じんせいいくばくぞ)
譬へば朝露の如し(たとえばちょうろのごとし)」

というのがあります。

意味は「酒を前にしては当然歌うがいい。人生は短い、朝露のようなものだ」ということです。

この歌は『三国志』の中でも大きな戦いである赤壁(せきへき)の戦いを描いた映画「レッドクリフ」の中にも出てきました。

曹操は正史『三国志』の作者・陳寿(ちんじゅ)に「常の人に非ず」といわれ、文武両道に秀でた中国史上まれに見る万能の天才だったと言われています。

「治世の能臣、乱世の奸雄」とも言われ、一時代を築いた人でした。

その曹操の歌った歌が「酒に対へば 当に歌うべし 人生幾何ぞ 譬へば朝露の如し」です。

「常の人に非ず」と言われた曹操の65年の生涯は朝露のようなはかないものだったと述懐しているのかもしれません。

電光・朝露の夢・幻

これは曹操だけではないでしょう。

私達もこれからの1年は長いように感じますが、振り返った1年はあっという間だったのではないでしょうか。

1月に「おめでとうございます」と言っていたと思ったら、夏が終わり、秋を迎え、年賀状が販売される時期に差し掛かっています。

人類誕生の歴史に比べれば、人生100年と言っても朝露のようにあっという間でしょう。

夫れおもんみれば、人間はただ電光・朝露の夢・幻の間の楽しみぞかし。
たといまた栄華・栄耀(えいが・えいよう)に耽(ふけ)りて思うさまの事なりというとも、其れはただ五十年乃至(ないし)百年のうちの事なり。
(蓮如上人(れんにょしょうにん))

思うような人生を送ることができてもあっという間の人生です。

朝露が陽の光を浴びてパッと消えていくような人生で手に入れて残るものは何なのでしょう。

朝露は消えてしまうと何も残りませんが、消えゆく人生の最後に残るものは本人が想像しないものなのかもしれません。

隠された人生の姿がむき出しになる死に際を迎える前にいつ死んでも悔いなしと言える準備を始める必要があります。

まとめ

電光・朝露の人生を知ると本当になすべきことは何か真剣に考えるようになります。
蓮如上人のお言葉を通して学んでみませんか?

(関連)蓮如上人物語 南無阿弥陀仏のいわれ

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ヒロ☆カズ

チューリップ企画のヒロ☆カズです。 31歳で肝臓の病気にかかり、2度の入院を経験しました。朝起きて仕事に行く。休日は友人と出かけるという当たり前の日常を失い、初めて、朝起きて仕事に行けることが当たり前でないことに気が付きました。 当たり前の1日がかけがえのない1日であることに気づけば、悩みが感謝の心へ変わるのかもしれません。闘病中に読んだ本や勇気をもらったさまざまな言葉からヒントを紹介したいと思います。
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