分かってくれない不満とどう向き合う?分かり合えない理由を知ることが第一歩
ある奥さんが「主人に話を聞いてもらいたいのに、なかなか聞いてもらえないし、分かってもらえなくて寂しい」と話していました。
「この人なら私を受け止めてくれそう」と期待できる人を結婚相手に選ぶでしょうから、余計に寂しい思いになるのかもしれません。
「分かってくれない」不満
自分の気持ちを分かってもらえたと感じると心が落ち着きます。
しかし、勇気を出して自分の気持ちを打ち明けても、突っぱねられたり、迷惑そうな態度をされたりすると「分かってもらえなかった」と不満を抱くでしょう。
そういったことが何度か重なると「夫(妻)には」「親(子ども)には」「あの上司(部下)には」「何を言ってもどうせ分かってくれない」と心を閉ざして、コミュニケーションを取る姿勢さえ止めてしまうことがあります。
心を閉ざしてしまうと関係がギスギスして、お互いに「どうせ私のこと嫌ってるんでしょ」と疑心暗鬼になってしまうかもしれません。
なぜ分かり合えないのか
親子や夫婦、友人や会社の人など、身近な関係であればあるほど「自分のことを分かってもらいたい」という気持ちが大きくなります。
身近だからこそ、期待値が大きくなるのでしょう。
しかし、分かってもらいたいと思うほど「分かり合う難しさ」を実感するのではないでしょうか。
なぜ、分かり合えないのでしょうか。
私たちは同じ世界を見て、自分も人も同じように感じていると思っていますが、実は違うのです。
同じ出来事に直面しても、何とも思わない人もいれば、凄く感情を揺さぶられる人もいる。またその感情も一人一人違うのです。
なぜでしょうか。
それは「一人一人が生み出した世界に、一人一人が生きているから」と仏教では説かれています。
これを業界(ごうかい)といいます。
業(ごう)とは「行い」のことで、行いが生み出した世界のことです。
70億人いれば、70億人通りの行いがありますから、世界の見え方は一人一人異なるのです。
「分かり合えない」と分かり合う
私たちは「分かってくれないから寂しいんだ」と思いますが、一人一人住んでいる世界が違いますから、自分と同じように分かってもらうことはそもそも難しい話なのです。
「分かり合えない」と分かり合ったときに、心を開いて相手に近づくコミュニケーションが重要になってきます。
分かり合えないからこそ、相手はどう感じるのか?自分はどう感じたのか?をコミュニケーションを通して理解を深めていくのです。
「分かってくれるはずなのに、ちっとも分かってくれない」という前提に立つと「分かろうとする姿勢が足りないからだ」と心を閉ざしてコミュニケーションを止めてしまうかもしれません。
しかし「分かり合えないからこそ、お互いに歩み寄ろう」という前提に立つと、相手に伝わりやすい言葉で表現しようと努力ができますし、また耳を傾けてくれた相手に感謝の気持ちも出てくるでしょう。
地道ではありますが、一つ一つ相手を理解していこう、自分も理解してもらえるような伝え方をしようと歩み寄ることで、相互理解を深めていけます。
すると、相手が不快にならない言葉遣いや態度が少しずつ分かってくるので、相手からも好かれ、自分もストレスが少なくなり、過ごしやすいようになっていきますね。
私も心がけていきたいと思います。
九条えみ
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