家族が苦痛なのには深い理由があった|親子関係が好転した人の発想
こんにちは。伝わる技術研究家のみさきです。
自宅に引きこもって2年になる息子と同居する女性がいました。
「働きもしない息子のために、私ばかりがこんな苦労をしなくてはならないのか」と、強いストレスを感じる日々でした。
ところがあることを機に、息子へのイライラがすぅーっと消え、心がとてもラクになったのです。
何が彼女の心をラクにさせたのでしょうか。
今回は心の苦痛を取り除く「家族のコミュニケーション」について考えてみたいと思います。
「家族だから」怒り心頭になる
google検索で「旦那」と検索すると、一緒に検索されやすい言葉として「旦那 むかつく」「旦那 嫌い」と出てきます。
「ぬれ落ち葉亭主に限界」「妻(夫)在宅ストレス症候群」「妻源病(さいげんびょう)」「夫源病(ふげんびょう)」など様々な呼び方もあり、夫婦間のストレスで苦しんでいる人が多いのがうかがえます。
夫婦間だけでなく、親子間、嫁姑間でのぶつかり合いもあり、家族との人間関係に苦しんだことがないという人はほとんどいないといっていいいでしょう。
ではなぜ家族同士、ぶつかってしまうのでしょうか。
その大きな原因の一つは、「私はこれだけあなたのために尽くしているのに」という心です。
家族はお互い支え合う仲なので、つい「こんなにしてあげてるのに」と思ってしまうのです。
大切な家族への思いやりから出た行動だったはずなのに、相手からうっかりお礼も見返りももらえないと「無視された」「軽んじられている」と悲しくなり、腹が立ってきます。
お礼や労いの言葉を求めなければいいのに、と言ってしまえばそうなのですが、欲が強い私たちは、どうしても求めてしまうのです。
どんな人にも出てくる、どうにもならない心といえるでしょう。
引きこもりの息子に親が腹を立って仕方ないのも、何とか息子を立ち直らせたいと、心配もし、生活の援助もしているのに、それを当たり前に思っているような息子の態度が許せないからなのです。
家族関係を好転する人の発想とは
では息子の言動に苦しんでいた母親の心をラクにさせたのは、何だったのでしょうか。
それは『自利利他(じりりた)』の発想転換でした。
『自利利他』とは「相手を思いやるままが(利他)、自分が幸せになれる(自利)」という仏教の言葉です。
「わかってほしいと求める前に、わかってやりなさい。自分の思いを通す前に、まず相手の思いを通してあげなさい。幸せになりたければ『自利利他』の道を行きなさい。実行すればわかりますよ」とお釈迦さまは勧められています。
引きこもりの息子に限界だった母親は、ある日仏教講座で『自利利他』の教えを聞き、ふと思ったのです。
「苦しいのは私ばかりと腹が立っていたけれど、息子の立場に立ってみると、社会に適合できずに、働いては辞めての繰り返しで、自分よりもずっと苦しい立場ではないか」
そう知った瞬間に自分が驚くほど苦しみがさーっと引いてしまったのです。
今まで少しも息子のことを分かろうとしていなかった自分に気付かされ、その日を境に息子への態度、接し方が変わっていきました。
息子さんは、以前より格段に話をするようになり、仕事も見つかって頑張るようになりました。
まとめ
「自利利他(じりりた)」とは、まず相手の幸せに徹するままが、自分の幸せとして返ってくるということです。
最初は自分を犠牲にしているように感じるかもしれませんが、苦痛だった家族関係が居心地の良い家族に変わっていることが感じられると思います。
こちらの記事も「自利利他」について書いています。
よろしければ続けてお読みください。
→相手の幸せを願うと幸せがやってくる|自利利他を実践して栄えた近江商人
みさき
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