恩に感謝する心|祖母から教わったお釈迦さまの教え

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週末に仏教のお話を聞きに行くの楽しみに働いているこうへいです。
日本人から恩に感謝する心が失われようとしていると報道されています。
それが本当ならば、非常に悲しく残念なことだと思います。
日本人が昔から大切にしてきた仏教の精神に、恩に感謝する心の大切さが重ねて言われています。
私がまだ幼かった頃、祖母からよくお釈迦さまの話を聞かせてもらいました。
その中でとても心に残っている話の一つが恩に感謝する心の大切さでした。

恩とはどういうこと

恩という漢字は、“因(原因)を知る心”と書きます。
「今の自分があるのはどんな原因(誰のどんな支え)によってなのか」を考え、知るということです。
私たちはいろいろな人に支えられて今の生活があるのではないでしょうか。
小学生のときに手を引いて通ってくれた上級生。通学路で見守ってくれた近所の人たち。
農家の人が育ててくれるから米や野菜を食べることができます。

中でも大きなご恩を受けているのが両親ではないでしょうか。
両親がいなければそもそも生まれることもできず、衣食住をすべて用意してもらわなければ生きてこれなかったのではないでしょうか。
私もそうでした。両親がいなければ今の私はいなかったでしょう。

インフルエンザにかかって39℃の熱を出したときも、うつるかもしれないということを気にせずに看病をしてくれました。(実際にその後で母もインフルエンザにかかり、仕事を1週間休むことになってしまいました)
もし放っておかれたら、私は間違いなく死んでいたと思います。
そんなに裕福でもなかったのに、県外の大学に通わせてもらい、大学院を卒業するまでの7年間、仕送りしてもらっていました。
このような支えがあったから、今の私の生活があるのだと知らされます。
そのことが知らされると、恩が知らされ、感謝する気持ちが出てきます。
恩が分からないのは、「今の自分があるのはどんな原因(誰のどんな支え)によってなのか」を忘れてしまっているからかもしれません。
人間は忘れてしまう生き物ですから、時々振り返って考えてみることが大切なのだと思います。

恩を知らない人は犬や猫よりもお粗末?

お釈迦さまの言葉の中に、

恩を知るは大悲(だいひ)の本(もと)なり。(中略)恩を知らざる者は畜生(ちくしょう)よりも甚(はななだ)し

という言葉があります。

恩を知ることが仏教の基本である。
恩を知らない人は犬猫などの動物よりもお粗末(そまつ)だ。

という意味です。

実際に動物でも恩を感じるものがあります。
渋谷駅に銅像がある有名な忠犬ハチ公は、飼い主の恩を感じ、最後まで忘れなかったとして知らされています。
そのハチ公の恩を知る心に感動して、ハリウッド(アメリカ)でも映画化されました。

鳩に三枝(さんし)の礼あり、烏(からす)に反哺(はんぽ)の孝(こう)あり

ということわざがあります。このことわざの意味は次のように解説されています。

昔から、鳩は親鳥を敬って三本下の枝に止まり、烏は親鳥が年を取ると口移しにえさを食べさせていたわるという言い伝えがある。そこから、人間であれば、なおさら親孝行をするべきだということのたとえ。
「故事ことわざ辞典」あすとろ出版 (著:現代言語研究会) より

このように、犬や鳩、カラスでも恩を感じると言われます。
恩知らずな人は「犬猫などの動物よりもお粗末(そまつ)だ」と言われても仕方ないかもしれません。

恩を知る人は好かれ、信頼される

恩を知る人は多くの人に信頼されるものです。
私の職場でも、依頼された仕事を仕上げて持っていく(もしくは電話で終わったことを告げると)と「ありがとう」「いつも感謝してる」と言葉をかけてくれる人があります。
私だけでなく、誰に対しても感謝の言葉をかけているようです。
そんな人だからか職場での信頼が厚く、重要な仕事を次々と任されていますし、私もその人から頼まれたら断れないのです。
その人と話をすると、「ご恩に感謝する人は成功し、ご恩を当然と流しさる者は必ず信用を失う」ということを常に心がけていると言っていました。
そのとき、幼いころに祖母から繰り返し聞かせてもらっていたお釈迦さまの話を思い出し、恩に感謝する人が他人から好かれ、信頼される人なのだと知らされました。

まとめ

恩に感謝する人は他人から好かれ信頼されます。
恩を知ることの大切さを教えられたのがお釈迦さまです。
恩に感謝する心が失われかけている今だからこそ、日本人に古くから親しまれているお釈迦さまの教えを大切にしていきたいものですね。

現代の私たちとなじみが薄くなってしまったと感じるお釈迦さまの教え(仏教)ですが、実は私たちと深い関りがあることに驚いた30代の女性の体験談です。ぜひこちらもご覧ください。

30代の私が、仏教の教えを学ぶキッカケになった疑問とは?

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こうへい

チューリップ企画で動画制作を担当しています。 大学生のときに同じことの繰り返しの毎日にどんな意味があるのかと悩みました。しかも友人に相談しても分かってくれる人がなかったことが大きな苦しみでした。 その時に読んだ仏典の言葉に励まされました。その後、講演会の運営の手伝いをする機会があり、さまざまな悩みを持って参加した多くの人たちの声を聞かせてもらいました。私も学びながら、皆さんの悩みに寄り添っていける情報を発信していけたらと思っています。
心が穏やかになった人へ
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