目標を達成するとむなしくなる?|燃え尽き症候群になった皇帝・司馬炎(前)

こんぎつね こんぎつね

こんにちは、暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。

あなたは今、夢や目標に向かって日々を過ごしているでしょうか。

大きな仕事を成功させる、子どもを大学卒業まで面倒を見る、マイホームを建てる、組織のトップを目指す、など人それぞれ様々な夢や目標があると思います。

しかし、その大きな目標を達成した後で燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)になってしまう人があります。

燃え尽き症候群とは、「理想に燃え使命感にあふれた人を襲う病」で、仕事上のストレスによってやる気がなくなり、人生に対して悲観的になり、仕事が手に付かなくなる症状を言います。

日本では大きな目標を達成した後に、夢中になれるものがなくなってしまって虚脱感に襲われることも「燃え尽き症候群」と言われます。

「私は何をやっていたのだろう」
「得られたものはこれだけか」
「エッ?何なのこれ?なんで、何もないんや!?」

目標が大きければ大きいほど、達成した後に思っていたほどの幸福が得られず、仕事に取り組む気力を失ってしまうようです。

実例として、中国の三国時代(西暦184年~280年)に天下を統一した司馬炎(しばえん)の絶頂と転落の人生を紹介します。

燃え尽き症候群の症状

司馬炎の話の前に、一般的な燃え尽き症候群の症状を知っておきましょう。

燃え尽き症候群の主な症状は「情緒的消耗感」「脱人格化」「個人的達成感の低下」の3つです。

情緒的消耗感」とは、「こんな仕事、もうやめたい」と思ったり、仕事のせいで心にゆとりがなくなったなどと感じることです。

脱人格化」とは、気配りをすることが面倒に感じる、同僚やお客さんと話したくなくなることがあるなどと感じることです。

個人的達成感の低下」とは、仕事に熱中できない、自分の仕事が性分に合わないと思うなどと感じることです。

(参考:日本語版 Maslach BurnOut lnventoryの妥当性の検討

燃え尽き症候群が起こるのは、物事に夢中になり、全身全霊で取り組んだにも関わらず、思ったような価値が手に入らなかった時です。

寝食を忘れて取り組んだのに、思い通りに行かなかったり、障害につまづくことで精神が消耗していきます。

特に燃え尽き症候群になりやすいのはストレス耐性の低いタイプで、職務上での注意や指摘を自分の人格を否定されたかのように捉えてしまう人です。

このようなタイプの人が多くの人と交わる仕事をすると、燃え尽き症候群になる可能性があります。
(参考:バーンアウト (燃え尽き症候群)

あなたはどうでしょうか。

司馬炎の天下統一

司馬炎の話に戻りましょう。

当時の中国は三国時代と言われ、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国に分かれて覇権を争っていた時代でした。

その中でも魏が他の二国に対して優勢で、263年に蜀は魏に滅ぼされ、残るは魏と呉の二国になりました。

司馬炎が父・司馬昭(しばしょう)の死により司馬一族の長を継いだのが265年、同年に司馬炎は魏(ぎ)王朝の皇帝に禅譲(ぜんじょう:皇帝の位を譲ること)を迫って皇帝の位を奪い、(しん)王朝を建てました。

皇帝となった司馬炎は残った呉(ご)を滅ぼすよりもまず、晋の国の体制をしっかり築こうとしました。

  • 重臣に学問と礼儀作法を修めた人材を登用する
  • 後漢(ごかん)や魏(ぎ)、蜀(しょく)の皇族でも優れていれば採用する

など、優秀な人材をどんどん採用して『泰始律令』(たいしりつりょう)と言われる法律を整備し、国家体制を整えました。

14年後の279年11月。満を持して20万の大軍で呉への攻撃を開始します。

三国時代に終止符を打つ戦いはあっという間に終わりました。

呉は後継者争いと内乱で国力が衰退していたのに加え、そのときの呉の皇帝・孫晧(そんこう)は、

言うことを聞かない者や自分をいさめる者はすぐに処刑し、

人を処罰する際には見せしめで顔の皮を剥いだり眼球をえぐり、

遷都を繰り返して浪費を重ね、

宮殿造営などの土木工事を何度も行って厳しい労役を課す

などをした暴君で、家臣は孫晧の顔色を見ておべんちゃらを言う小者ばかりで、民衆は孫晧を深く恨んでいたためです。

侵攻から3ヶ月後の280年3月15日に孫晧(そんこう)は晋に降伏し、約100年続いた三国時代が終わりました。

天下統一は司馬炎だけが見た夢・大目標ではありません。

この100年の間にどれだけの英雄が天下統一を夢見て、成し遂げられずにあえなく散っていったことでしょう。

あまたの英雄、そして名もない無数の兵士の犠牲の末、ついに中国は再び一つの国になったのです。

この大目標を達成した司馬炎は戦勝報告を聞いたとき涙を流して喜びました。

しかし残念なことに、ここが彼の人生の頂点でした。

その後司馬炎は炎が燃え尽きたように急に堕落してしまうのです。

↓の後編では司馬炎の転落人生についてお話しします
目標を達成するとむなしくなる?|燃え尽き症候群になった皇帝・司馬炎(後)

The following two tabs change content below.
こんぎつね

こんぎつね

チューリップ企画デジタルコンテンツ事業部にてサポートとインターネット業務にも携わっているこんぎつねです。(こんぎつねの記事一覧へ)チューリップ企画に来る前は愛知県で主に60代以上向けのイベントを運営していました。人について学ぶのが好きで、大学では生物学を専攻しました。よく読む本のジャンルは心理学、脳科学など人の心や体の行動に関するものが多いです。ブログもそれらの本を参考に、この悩みは 仏教ではこう解決するという内容を専門語を使わずになるべくわかりやすい言葉で発信することに心がけています。もっともっと多くの方の悩み疑問にお答えしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

backtotop