「死んだらどこへ行くのかな?死ぬって怖いな」と思ったことのある方へ
両親が浄土真宗を熱心に学んでいるため、生まれた時から「仏教」が身近にあった九条えみです。
幼い頃から「人間は死んだらどこへ行くのかな?死ぬって怖いな・・・」とふっと思うことがありました。
心の底では誰しも思ってる?「人間死んだらどうなるのか」
弊社にかかってきたお電話を一部ご紹介します。
特別に悩みもなく日々元気に生きられることに感謝はしていますが、でもあの世に行かなきゃいけないとふ~っと思います。
究極的に死に対する恐怖があります。
実は主人が10年前に末期がんになり「何も要らないから命だけは!」と私も必死でした。
それから死を身近に思うようになりました。
もっと死に対して怖がらずに今後生きていきたいです。
でも死のことばかり考えてもどうしようもないしそれなら誠実に生きた方がいいんじゃないかなと思ったりします。
人の相談に乗っている寂聴さんも「死んだらどこに行くのかな」とぼそっと呟いていて、あの寂聴さんも分からないんだなと思いました。
(千葉県船橋市 59歳・女性)
不安を感じるのは未来が心配だから
弊社発行の月刊誌『とどろき』平成30年1月号に、「なぜ安心できないか」について記事がありました。
“将来ガンにならないだろうか”と多くの人が心配するのは、日本人の3人に1人が亡くなる病気だからでしょう。
最近はDNA検査でガンにかかる可能性が分かる。
この検査で乳ガンの確率が9割と診断されたアメリカの有名女優が、乳房を切除したのも、先の憂(うれ)いをなくして安心したかったからでしょう。
不安を感じるのは、いずれも未来が心配だからです。
未来が暗いと、現在の心が暗くなるのです。
私たちの100%確実な未来とは
今の不安は、未来の心配から来ています。
では、私たちの100%確実な未来とはなんでしょうか。
それが今回のテーマでもあります「死」です。
定期健診の結果に一喜一憂するのも、身近な人が亡くなったと知るとドキリとするのも、根底に死への不安があるからです。
死への不安といっても、いろいろな不安があります。
肉体的な痛みなどで、人生の晩年は、つらい生活で終わるのか。
愛する家族と永遠の別れをしなければならないのか。
最初に紹介した、千葉県船橋市の59歳の女性の方は「死んだらどこに行くのかな」がハッキリしないことに、不安を感じておられました。
仏教では、死後どうなるかハッキリしない心を「後生(ごしょう)暗い心」といいます。
仏教の目的は、この「後生暗い心」 が人生の不安の根本であると明らかにし、「後生暗い心」を破って、現在ただ今から未来永遠に、限りなく明るくなることだと教えられています。
これを知ったある女性はこう述べています。
特に、心に残ったところは、後生、死んだ後に、どうなるか分からないことが、いろいろな苦しみの原因というところです。
それがどうなって、すばらしい人生になるか分からないので、知りたいと思います。
(宮城県色麻町 61歳・女性)
まとめ
「死」をなるべく考えたくない、それが人間の性(さが)だと思います。
生死一如(しょうじいちにょ)という仏教の言葉があります。
つまり、生きていることと死ぬことは一つで、切り離せないものということです。
「死」を真面目に見つめることは、いたずらに暗く沈むためではありません。
「死」を凝視してこそ、今ある「生」の価値を真剣に考えるようになります。
生と死について、もっと考えてみたいという方はこちらをお読みください。
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「白骨の章」とは、生まれた者は必ず死んでいかねばならない厳粛な現実を名文で書かれたものです。
浄土真宗の葬式の際に、よく読まれています。
九条えみ
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